「アベノミクス」を語る 第4回 金融緩和の次は雇用拡大

 

 2013年1月31日 NET IB NEWS

2013年1月29日NET IB NEWS

<あらゆる政策を雇用に振り向ける>
 山本 もう1つ、安倍総理に、デフレ脱却が日銀の金融政策である程度めどがついてきたから、まあレールが敷かれてきたから、次の課題はね、雇用の確保拡大にしなさいとアドバイスしようと思うんですよ。これは、今や日本の1番の最大の問題で、企業内失業は山のようにいるとか、非正規は多いとか、若者は仕事自体がないとかね、ここを新政権は徹底してやる。デフレ解消はすぐ直接雇用拡大に結びつくけど、それにプラスして、税制にしろ、財源にしろ、規制改革にしろ、焦点は雇用拡大だと、政策やったらいいですよとアドバイスしようと思っています。ありとあらゆる政策を振り向けて雇用拡大に力を置く。そうすると短期中期対策があり、長期対策は成長戦略であって、競争力強化、規制緩和、構造改革、あるいは新分野開拓、そういうものですよ。まず参院議員選挙までは、短期中期の話をしっかりやる。
長期は、いずれにしろ議論して、できるものはきちっとやっていかないといけんけど、効果が出てくるのは簡単じゃないから、そういう戦略でいこうと思っています。

 ――雇用の確保拡大で具体的には。

 山本 賃上げしたら税金を負けるシステムを入れていきます。いろいろなものがあると思うんだ。税制だけではなく、助成金など、ありとあらゆる施策をそこに振り向ける。たとえば、地方に予算を渡して雇用を増やす。地元の実情は自治体でないとわからないので、自治体に金を渡して自由に地方として雇用を増やす施策に使えと、補正予算につけていますよ。

<緊急経済政策の目玉>
 ――デフレ脱却とは別問題で必要な経済対策、そして北九州の活性化をどう進めるか。緊急経済政策発表の目玉は何ですか。

 山本 今回の経済対策、補正予算なんだけどね、北橋健治北九州市長も「補正予算に陳情始めました」とあいさつに来た。これから箇所付けになるので、要望の予算は全部とってやろうと思っているけどね、大体、突貫工事でやっているから、今までやってきているようなところの継続ですよね。国際交流特区の話とか、城野駅前の自衛隊跡地の開発の推進とかね、それは予算を付けるという話を、取れるところは全部取る。

 しかし、新規は北九州市もなかなかちゃんとした準備もできていなくて、たとえば北九州空港の滑走路500メートル延長を言っている。国交省に言ったら担当課長が「その前にやるべきことがあるんです」と、パブリック・コメントとったり、環境アセスとか、それで通常何年もかかるんですと言うから、「北九州市はそれをちゃんとまだやってないのか」と聞いたら、「そうなんです」と言うから、それで北九州市に戻って北橋市長に「お前ちゃんとやれ」と。そうしたら、北橋市長が「それを言われましたか。そうじゃなくて、国交省から延長の話はするなと言われてて、抑えられているからやらないだけで、やれと言われたら一生懸命やりますよ」という話をしていましたよ。そこでまた国会に戻って対策課長呼んで、「俺をなめてるのか。市は言うなと言われているからやっていないだけで、いつでもやりますという話をしているのに、市がサボっているからできないとはなんだ。早くやれ」と、少し強くお尻を叩いてきたけど。

 ――そうでもしないと官僚は、動かない。

 山本 そこを、これから僕がぶったたいて動かしてやろうと思っていますけどね。今すぐ、どうのこうのとならないけど、少しずつね。でもそのくらいのことでやっていかないと、新しいことが進まない。
 市もどんどん準備して、早くやれとしていかないと。しかし、市も財政が厳しいから市の負担分があると、なかなかできないんですという話があってね。地方負担分をなくしてやるような話がどんどん進んでいますから、準備自体はどんどんしないといけない。だから市長も「サボるなよ」と号令掛けていますよ。今回の補正予算は、地方負担分も国が全部面倒を見るんだから、そういうものを今後もどんどんやりますよ。だから、地方も、早くできるように準備を、これからしっかりやっておかないといけない。

(つづく)

【山本 弘之】