インフレ目標導入を! (金融政策小委員会・中間報告) 自民党金融政策小委員会(山本幸三委員長)は、昨年末より『デフレ克服』に向けた『望ましい金融政策について』検討してまいりましたが、3月23日、中間報告をまとめました。新聞各紙の反応も併せてご紹介します。 中間報告は、こちらをご覧ください。 【新聞各紙の反応】 日本経済新聞 平成18年3月24日 インフレ目標導入を -自民金融小委が中間報告― 自民党の金融政策小委員会(山本幸三委員長)は23日、金融政策に関する中間報告をまとめた。日銀が量的緩和政策を解除したことを踏まえ、「望ましい物価安定の目標を数値で示すことが必要」とし、緩やかなインフレ目標の導入を主張。日銀が目標実現に向けて「中期的なコミット(約束)を明確にすべきだ」とも指摘している。 29日に開く同党金融調査会などの合同部会で了承を得る見通し。政府が6月にまとめる「骨太方針2006」への盛り込みを求める。 日銀は量的緩和策の解除決定にあわせ、物価安定の目安として消費者物価の前年比「0-2%程度」のプラスという数値を明示した。中間報告は日銀の決定を評価しながらも、一段と「縛り」の強いインフレ目標への移行を提言した。 朝日新聞 平成18年3月24日 インフレ目標提言へ ―骨太の方針反映目指す日銀に導入求めるー 自民党の金融政策小委員会(山本幸三委員長)は23日、日本銀行の政策運営に対する提言の中間報告をまとめ、日銀に対し、達成すべき望ましい物価上昇率を示す「インフレ目標」の導入を求めた。最終的に党としての方針をまとめ、政府が6月に決める「骨太の方針」に反映させる方針だ。 中間報告では、名目国内総生産(GDP)成長率の政府目標や将来見通しを「一応の政府・日銀共有の目標」とするように求めることも決めた。また、政府が参考試算として示している名目成長率見通し(2006年度2%、2011年度3・2%)をもとに、日銀が「望ましい物価安定の数値」を中期目標として掲げるべきだと提言した。 読売新聞 平成18年3月24日 インフレ目標を提言 ―「最低0.5%は欲しい」- 自民党の金融政策小委員会(山本幸三委員長)は23日、望ましい物価上昇率を掲げて金融政策を運営する「インフレ目標政策」の導入などを日本銀行に求めた、金融政策に関する中間報告を公表した。 中間報告は、日銀が金融の量的緩和策の解除時に、安定的と考える物価上昇率の目安を示したことは「大きな進歩」と評価したうえで、「中期的なコミット(約束)を明確にすべきだ」として、インフレ目標導入の必要性を強調した。 具体的なインフレ目標値は示さなかったが、日銀が示した「0~2%程度」については「最低0.5%は欲しい」と指摘した。 山本委員長は記者団に対し「個人的には0.5~2.5%がいいと思う」と述べた。 毎日新聞 平成18年 3月24日 物価目安を発展インフレ目標に 自民金融小委提言 自民党政務調査会の金融政策小委員会(委員長・山本幸三衆院議員)は23日、デフレ克服に向けた望ましい金融政策のあり方に関する中間報告をまとめた。報告では、日銀が量的緩和政策の解除に伴う新たな金融政策の枠組みとして示した物価安定の目安(0~2%、中心値1%前後)について、「中期的な物価安定の数値目標と位置づけるのが望ましい」と指摘。この目安を「金融政策運営を縛るものではない」(福井俊彦総裁)とする日銀に対して、一定期間内に特定のインフレ率達成を目指す「インフレ目標政策」に発展させるよう注文した。 産経新聞 平成18年3月24日 物価目安を評価 -日銀、数字の独り歩き懸念― 自民党の金融政策小委員会(山本幸三委員長)は23日日銀が量的緩和解除後の金融政策運営の枠組みとして物価安定の目安を数値で示したことについて、「大きな進歩」と歓迎する中間報告をまとめた。党が求めるインフレ目標と同等の拘束力があると解釈したためで、日銀が懸念する「数字の独り歩き」が現実となってきた。 中川秀直政調会長の特命で昨年12月に設置された同委員会は「政府と日銀が共通の数値目標を掲げること」(山本委員長)を量的緩和解除の条件にあげ、早期解除を目指す日銀を牽制しながら会合を重ねてきた。 しかし、日銀は、今月9日、量的緩和策を解除。同時に9人の政策委員が考える物価安定の範囲を消費者物価上昇率で「0%から2%程度、中心値1%前後」と公表した。その後、長期金利はジワジワ上昇するものの株価は落ち着き、内外の市場関係者のおおむね日銀の決断を評価している。 報告書も解除を追認するかたちとなり、解除後の影響について「海外投資家は『デフレ克服』サインととらえ、株価はむしろ上昇するという予想もある」と指摘するなど、全体的にはマイルドなトーンとなった。「物価の安定を図る」(日銀法第二条)ことが日銀の使命である以上、数値に日銀が「拘束されるのは明らか」としたからだ。 一方、中川政調会長らが導入を叫んできた政府・日銀賞通の「名目生長率目標」については、日銀に譲歩を示した。日銀の「過重負担になる」(山本委員長)などという理由から、「一応共通の目標とする」と表現をトーンダウンさせた。参加議員の一人は「日銀から物価の数値を引き出したことがすべて」と語り、一定の牽制効果が働いたことを強調した。 日銀の福井俊彦総裁は目安について「インフレ目標と違う」とする一方、「数字の独り歩きという心配はもちろん持っている」とも漏らしている。目安が、ゼロ金利解除を模索する日銀を牽制する口実に利用される可能性はある。「我々が提言した物価目標と同等の効果を上げるように注意深く見守っていく」。実際、報告書はこう締めくくった。 東京新聞 平成18年3月24日 インフレ目標導入を ―日銀を強くけん制― 自民党金融政策小委員会(山本幸三委員長)は23日、「望ましい金融政策」についての中間報告をまとめた。日銀に対して、デフレ脱却を確実にするため「望ましい物価安定数値目標へのコミット(約束)を明確にすべきだ」として、インフレ目標政策の導入を提言した。 日銀は量的緩和解除に伴い、消費者物価指数の前年比上昇率を「0-2%」とする「物価安定の目安」を示したものの福井俊彦総裁らがその後の国会答弁などで、この数値には縛られない政策運営を進める考えを強調。これに対し、自民党側が強くけん制した形だ。 山本委員長は会合後、記者団に対し、物価安定の数値目標について「下限がゼロでは低すぎる。個人的には0.5-2.5%くらいがいいと思う」と述べた。 このほか中間報告では、経済財政運営の指針「改革と展望」で政府が示した名目国内総生産(GDP)成長率(2006年度2.0%、年度2011年度3.2%)を「一応の政府・日銀共有の目標」とするよう提言。当面、ゼロ金利政策を継続することや、毎月1兆2千億円の長期国債買い入れを維持することも求めた。 |