昨今、街中でミネラルウォーターを持ち歩いている人を見かけることが多くなった。何年前からか記憶にないが、私自身も水を飲む時は、水道水ではなく、市販されている水を利用している。健康に対する意識も高まるとともに、水道水の安全性や味の問題が主な原因だ。 水道水に塩素が殺菌のために入れられるようになったのは、敗戦直後で、GHQの指導によるものらしい。戦後生まれの私は、当然その水で育った訳だが、時折口にする自然の湧き水と水道水に差ほどの違いを感じていただろうか。戦後の経済状態という背景も手伝ったのか、水に味を意識することは無かったように思う。 では、この数十年の間に、水道に何が起きたのだろうか。戦後の経済復興を果たした日本は、様々な意味で犠牲を払ってきた。環境破壊も大きく取り上げられるようになってからしばらく経つが、水源の汚染問題は、その良い例の一つかもしれない。生活排水や工場から出される排水、また産業廃棄物などによる土壌汚染などにより、環境ホルモン等、健康に悪影響を及ぼす物質が川から検出されるようになって久しい。 高い技術力を持つ浄水施設と恵まれた水源の豊富さを最大限に活用し、もう一度かつての水道水を取り戻すことはできないものか。人間の体の半分以上は水分から構成されている。生命の維持には、それだけ大切なものなのだ。私の選挙区には森林も多く、水源林の保全など、ハード面からも水道行政に積極的に取り組んでいきたいと思う。 |