政策レポート

西日本工業大学で「乱世で成功する法」を講義(2004.6.18)

 

西日本工業大学で「乱世で成功する法」を講義

 地元の苅田町にある西日本工業大学の「社会倫理」の授業に講師の委嘱を受け、6月18日に講義を行った。今回は、私自身の経験談も交えながら、「乱世で成功する法」について話した。

0407nisinihon1 まず、前提として認識をしなければならないのは、我々・生命体の住む社会・環境は、常に秩序の解体に向かって動いているということだ(エントロピーの法則)。例えば、過去に偉業を成し遂げた会社であれ、ユートピアと呼ばれた国家であっても、時間の経過と共に形骸化し、そのまま放っておけば、無秩序が蔓延し、やがては崩壊の一途を辿る。これは、自然環境やどんな小さな組織にも当てはまる法則だ。私の例で言えば、選挙で惜敗したのは、その例に漏れることなく、やはり内なる敵に気づけなかったことにある。

 エントロピーの法則に従えば、大きな流れに逆らうことはできないかもしれない。しかし、その大きな流れの中で、減少方向に動かす―秩序性を保つ能力を、我々は持っている。それは、すなわち、「統合の思想」だ。

0407nisinihon2 我々の思考形態は、「分離・分析の思考」に支配され、あらゆる物を「自分と他人」、「善と悪」、「敵と味方」といったように分割・対立して捉えるようになっている。しかし、この思考形態を持ち続ける限り、この乱世を生き残ることはできない。

 では、「統合の思想」とは何か。「自分と他人」を考えるとき、「統合の思想」では、相手の属性は自分の投影に他ならなく、「敵」と思っていたものが「味方」になり、「悪」の中に「善」を見出すことが出来る。例えば、どんな不平不満も、その人の立場になって物を考え、自らの問題として解決しようという気持ちがあれば、やがては、「敵」と思っていた人も自分を理解し、「味方」なることもあるということだ。私の例で言えば、やはり、「敵」を作りすぎたことが選挙の敗因ということだろうか。

 そういった「統合の思想」の立場に則り、普遍的な秩序性や組織を形成していくことがエントロピーの減少方向に向かうことなのだ。「言うは易し、行うは難し」だが、これこそが、成功の秘訣なのだ。