1.問題意識 (1)現下の経済低迷の元凶は、デフレにある。 デフレの下では、消費手控え、投資縮小等が起き、全てが上手くいかなくなる。 (2)デフレは、債務者、特に銀行債務や住宅ローンを背負う中小企業や個人等、弱者により大きな痛みをもたらす。 (3)デフレが続く限り、不良債権は増え続け、クレジット・クランチ、すなわち、銀行の信用供与機能の不全が続く。 (4)デフレの下では、小泉政権の目指す構造改革が上手く進まない。 無理にやると、経済の破局を招きかねない。 (5)小泉改革の成功の為にも、デフレの解消が急務である。デフレは、実物量に比較して実際に流通する貨幣の量が少な過ぎることによって起こる現象であり、これを解決することが出来るのは、日銀しかいない。 (6)しかるに、日銀は、今日に至まで、デフレ解消のため積極的に動こうとしない。そもそも、今日のデフレ状況が深刻化したのは、丁度一年前の日銀の無謀な「ゼロ金利解除」に端を発するものであり、日銀の無作為は許し難い。もはや、日銀法を改正して、日銀が動かざるを得ないようにするしかない。 2.日銀法改正の中味 (1)日銀に安定物価目標を持ってもらうこととする。 (2)その目標達成のための手段は、日銀に任せるが、中間目標として の通貨の供給量の見通しについて明示してもらうこととする。 (3)政府の経済政策との整合性を図る責任があることを、より強く明示することとする。 3.検討課題 (1)日銀の独立性との関係 ① 独立性を維持する形で、物価目標決定を行うのか? ② 物価目標は、政府が決めることとするのか? (2)物価目標として、何を採用するか ① CPI(消費者物価)でよいか? ② 上昇率をいくらにするか? CPIのインフレ・バイアスを考えると、2~4%でどうか? (3)実現の期限をどうするのか? (イギリスは2年) (4)達成できなかった場合の責任を明記するかどうか? (5)日銀法の他の規定の改正も考えるかどうか? 例えば、日銀からの政策委員は1名に限るとか。 日銀総裁の解任権を総理に与えるとか。 4.スケジュール (1)基本的には、財務金融部会に引き継いでもらうのが筋。当研究会は、それまでの準備会という位置付けになろう。 (2)秋の臨時国会に法案提出することを念頭に置いて、 月中には成案を得るよう努力する。 (3)当面、素案をたたき台に、法案の検討を進めるとともに、理論武装としての勉強会を並行して行う。 (9月第2週から、毎週木曜日の午後2時~3時半でどうか?) (4)講師としては ① 森永卓郎 ② リチャード・ベルナー ③ 伊藤隆敏 ④ 深尾光洋 ⑤ 浜田宏一 ⑥ 岩田規久夫 氏等が考えられる。 連立与党の公明、保守の関係者に強く働きかける必要もある。 (以上) |