ヨシ電子株式会社は、バスや電車の内外装具、建築部材等の製造などを手掛けるレーザー精密加工
会社であり、レーザー加工から板金、切削、メッキ、塗装まで一貫して行えることを強みとしてい
る、今年創立40周年を迎えた「地域中核企業」です。こちらでは、毎年、設備投資を積極的に行
うとともに、最新の設備を扱える従業員を育成するために、技能士の資格習得を奨励しています。
同社は、今年4月にも4人の新卒を採用しているなど、全従業員92名(平成29年2月現在)が正
社員であり、100%短時間勤務の正社員制度を導入するなど、働きやすい職場づくりを積極的に進め
ており、有給休暇の取得率は約90%、過去5年間の離職者はゼロだといいます。今回、離職率が
低い理由をお聞きしたところ、コミュニケーションの活発化を目指し、「新卒・中途を問わず、新
入社員と交換日記をしているのもひとつ」とのこと。やはり、経営者と一社員が意思疎通を行って
いくことは重要なようです。
また、同社はプロフェッショナル人材支援事業とも密接にかかわっています。昨年4月に、金属建
材の塗装に関する課題の解決のため、栃木県プロフェッショナル人材戦略拠点に、塗装に関するプ
ロフェッショナル人材が欲しいと持ちかけたところ、その拠点マネージャーが紹介した塗装メーカ
ーとの技術開発により、塗装に係る課題が解消され、不具合発生率や不良率が改善されるととも
に、塗装分野の売上80%アップするなど、大きな効果を上げています。
そして、この制度は、拠点マネージャーが成長が期待できる企業に個別に接触し、経営者に
「攻めの経営」と新たな事業展開を促すことで、プロ人材に対する有望かつ明確なニーズを発掘
し、人材市場に発信することもポイントのひとつです。同社には、「攻めの経営」への意欲を喚起
する中で、品質管理における人材の必要性を認識して貰い、人材の採用につなげています。
以上見てきたような取組みを、全国各地の拠点で行ってもらい、そして、その拠点同士で連携を
しながら、例えば都市部の大企業との人材交流の拡大や地方創生インターンシップ事業との連携、
都市部のプロ人材に対する地域経済の潜在力アピールなどの活動を展開し、様々な形でプロ人材の
「還流」を実現させていけば、地方創生に必ずや結びついていくはずです。
(安藤嘉浩・同社専務より取組のお話を伺います。)
(風間オーナーより、このカフェとともに、これまでのまちづくりの活動について興味深いお話を伺いました)
日光珈琲は、栃木県日光市にある、古民家の空き家を改修したレトロな空間が楽しめるカフェで
す。特に、こだわりの珈琲や天然氷のかき氷が人気となっているようです。
今回、オーナーの風間教司さんから取組のお話を伺いましたが、日光市や鹿沼市で同様の4店舗の
カフェを運営するほか、企業コンサル事業、まちづくり事業等も手掛けているそうです。風間さん
は、こうした活動をされる前から、空き家などが増え廃れていく地元・鹿沼市の商店街に危機感を
感じて、同市の「根古屋」と呼ばれる小さな路地で、自分の店を持つという夢を持つ起業家を集め
た市、通称「ネコヤド大市」を開催し、新規企業のサポートをされてきています。これは、資金や
仲間(従業員)もない、新規企業のサポートをするべく、数々開かれるイベントに「出店」という形
で店を出してもらい様々な経験を積ませながら、底力を付けさせて開業につなげていくという仕組
みです。このイベントの中では、「鹿沼の歴史的建造物巡り」や「街中宝探し」等のイベントを寺
や自治会館等で開催することで、地元にも参加してもらえるような枠組みを構築しています、この
ほか、新規起業者の若い人たちと老舗既存店舗の経営者、また、大学生と地元企業との交流のきっ
かけづくりなどにも取り組まれており、そうしたノウハウを広く発信し、全国に広めてほしいと思
います。
以上。