去る7月6日は、群馬県の川場村、高崎市、埼玉県は行田市を訪問してまいりました。一部抜粋
し、本HPでご報告致します。
(レストランや産直販売所、パン・ビール工房や温泉もあり1日中遊べるスポットです。HPより。)
株式会社田園プラザ川場は、観光庁長官表彰をはじめ、数々の賞を受賞する全国でも大人気の道の
駅です。「農業プラス観光」で自立を目指す川場村の産業・情報・交流の拠点となっています。
こちらには、人口3500人の村ながら年間約180万人の来場者があり、うち約7割をリピータ
ーが占める⼈気施設で「関東好きな道の駅 5年連続第1位(平成16年度~20年度)」、「全国
モデル道の駅(平成26年度・国土交通省)」にも選出されています。
(永井代表取締役(左)に館内を案内して頂きます。右側はご地元の尾身先生と外山・川場村長です)
利根沼田地区のイメージアップをモットーに、地元食材を積極的に使用した6次産業化産品(地ビー
ル、ヨーグルト等)の開発、製造や販売を行っており、商工会青年部のうまいもの市や川場村のグリ
ーンフェスティバルの会場となるなど、関係機関と連携し、地域の宣伝と活性化に取組んでいま
す。人気の理由は、都会にはない豊かな自然とともに、開発した新商品を積極的に取り⼊れるな
ど、飽きさせないようにしている、とのこと。そして、この「道の駅」は、地元の農産物の販売の
場として産直販売所を設けているほか、農地の遊休化防⽌や生きがい対策にもなっているとその効
果を強調しておられました。
また、川場村は、東京の世田谷区と「縁組協定」を結んでおり、都市交流事業を実施していま
す。その事業のひとつとして、世田谷区から数多くの小学校が否か体験として遠足(実習)で多く訪
れるといいます。これは、子供だけではなくその親の世代も体験しているくらい長い取組みのよう
です。そして、夏や秋の繁忙期には、約120名が就業するほか、U・I・Jターンを積極的に受
け入れています。
(今回、富岡・高崎市長とともに学生たちと昼食をとりながら懇談をさせていただきました。)
Cafeあすなろは、かつて「市民の文化の拠点」として親しまれた名曲喫茶「あすなろ」を平成
25年に高崎経済大学の学生が復活させ、「学生の実社会体験の場」、「地域交流活動の場」、
「文化活動支援の場」、「情報発信の場」の拠点とするべく、コミュニティカフェとして運営して
います。
施設は、公立大学法人高崎経済大学が設置し、店舗の管理・運営を学生らで構成するNPO法人が
行っており、NPO法人には100名を超える学生が参加をしているそうです。また、お店は、空
き店舗を活用しており、まちの活性化にも役立っています。カフェの運営を通じて、対人関係も磨
かれていくでしょう。
あすなろCafeは、大学と⾏政が連携した先進的な事例として全国から注⽬されており、今後は
「お金を稼ぐ」という意識も重要です。地元の特産品である、梅やブルーベリーなどを使った商品
を学生の自由な発想で開発し、使用してもらいたいと思います。
行田は江戸時代、忍藩の城下町として発展していたところ、今から300年程前頃、江戸より足袋
製法が伝えられて、その技術が広められ、その時の忍藩主・阿部豊後守忠喬により足袋製造が武士
やその家族の仕事として奨励されましたといいます。そして、明治に入ると海外からの輸入品や文
明開化により多くの機械が手に入り、技術も進み、銀行からの資金援助により行田足袋産業が盛ん
になっていったそうです。行田市は昭和13年頃には全国生産の80%を占めていたようですが、
その後、日本人の服装の変遷により足袋の需要は少なくなったものの、現在も行田の足袋は全国の
トップシェアをほこっているそうです。
そんな行田市に所在するきねや足袋株式会社は、創業当初から、「ミシン、道具、人」に優しい行
田足袋づくりを心掛けており、耐久性、シルエット、縫い上がりを追求し、足を包み込むような
「ふっくら」として特徴があります。先々代から受け継がれてきた伝統の技を受け継ぎ、着物の脇
役としてだけではなく、他の分野においても足袋が役立てるよう、2013年には、既存足袋製品
に加え、ランニング足袋「きねや無敵」を発売しているようです。地域の伝統産業に対するイノベ
ーションの好事例ではないでしょうか。
※同社は、池井戸潤氏の小説「陸王」のモデルになったといわれているようです。
(今回は、特別に作業工程をみさせていただきました。足袋はまさに人と機械との傑作です。)
年度に県内初の日本遺産「和装文化の足元を支え続ける足袋蔵のまち行田」として認定されていま
す。そもそも足袋蔵とは、完成した足袋を出荷までしまっておく倉庫であり、大正末期に棟上した
土蔵造りの店舗併用住宅といわれています。こちらを、NPO法人ぎょうだ足袋蔵ネットワークな
どが、行田と足袋の歴史を学ぶことのできる博物館の他、アーティストシェア工房や藍染めが体験
できる施設などに再生し、運営しています。「足袋蔵のまち行田」として日本遺産にも認定されて
いる歴史的資源を活用しつつ、まちなかに賑わいをもたらす素晴らしい取組みでありました。
(70棟ある足袋蔵は土蔵だけではなく、レンガや石、コンクリート、木造など大きさデザインは様々です。)
以上。