活動報告

山本幸三地方創生探訪記録@福岡、山口 (2017.6.25)

 

先月、25日は、山口県の下関市、山口市、防府市、宇部市、福岡県はわが地元、北九州市を訪問

してまいりました。一部抜粋し、本HPでご報告致します。

 

今回のトップ画は、防府市にある防府天満宮での様子です。

言わずと知れた、菅原道真公を学問の神様として祀った天満宮で、道真公が亡くなった翌年である

延喜2年(904年)に創建され、「日本最初に創建された天神様」を名乗っています。

 

 

ー 北九州市 ー

・関門海峡ミュージアム(海峡ドラマシップ)

関門海峡ミュージアム

関門海峡ミュージアムは、関門海峡の過去・現在を五感で感じることをコンセプトとしたミュージアムです。

海峡にまつわる歴史を再現した「海峡アトリウム」「海峡歴史回廊」をはじめ、大正時代の街並み

を再現した「海峡レトロ通り」などを設置しています。この建設費は、約100億円で、福岡県と

北九州市が折半しており、平成15年4月26日に運営を開始しています。(管理運営は、北九州市

が行っています。)

更なる魅力向上や周辺地域の観光振興に寄与することを目的に、地方創生推進交付金の活用による

施設リニューアルを計画しています。

 

 

また、今回北九州市では、旧大連航路上屋にて、門司港レトロ倶楽部との意見交換を行いました(下

写真)。門司港レトロ倶楽部は、地元・民間・行政が連携し平成7年に設立された組織で、門司港の

歴史的建造物を活用し観光まちづくりを推進しています。

関門海峡地域における地方創生、いかに「稼いでいくか」について、私が全国で見てまいり

ました事例をお話しするとともに、今後の関門連携など、実際に地域づくりの現場で活躍されてい

る方々との活発な意見交換を行うことができ、有意義な時間となりました。

旧大連航路上屋(上左写真)は、1929年に国会議事堂等を手掛けた官庁建築課大熊善邦氏の設計に

より、『門司税関1号上屋』として西海岸に建設され、北九州・門司港の国際ターミナルとして使わ

れていました。

約5年の歳月をかけて完成時の姿を取り戻し、人と人とをつなぐ交流施設として、また門司港を訪

れた方たちの憩いの場として生まれ変わっており、各種多目的スペースを活用してのイベントや、

文化・芸術の発表の場としてなど、門司港の新しい魅力を伝えています。

 

 

ー 下関市 ー

・長州出島

 

今回訪れた「長州出島」は、下関市の西側の沖に浮かぶ、いわゆる人工島です。

こちらでは、国際コンテナ貨物の増大や船舶の大型化に対応するため、関門海峡沿いの港湾整備

は、後背地の不足や船舶航行上の制約等により限界があることから、1995年度から関門海峡

内に比べて制約が少なく、将来への発展可能性が高い新港地区で沖合人口島「長州出島」整備に着

手されています。

そして、平成26年には「クルーズやまぐち協議会」を設置し、県・市町・関係団体が一丸となり

誘致活動を推進した結果、県内クルーズ船寄港が激増したといいますH25:12回→H29:6

5回)

この長州出島の稼働に伴い、既存の岬乃町コンテナターミナルよりも「時間短縮」、「コスト縮

減」、「休業スペースの確保」が可能となり、今まで以上の検査体制を確保することで、下関港の

持つ能力を高め、「東アジアのゲートウェイ」としての役割を果たしています。

長州出島は、北部九州地域の中枢国際港湾の一翼を担う国際港湾として、また、近年では、インバ

ウンド受入拠点、時代のニーズに対応した東アジアとの高速RORO船やコンテナ船によるシャトル

航路の基地としての活躍が期待されます。(中心となる出島はH30年には22万トン級が係留可能

となる予定だそうです。)

 

 

(前田晋太郎・下関市長(右側)にご説明をしていただきました。視線の先は、左、上の写真です)

ー 山口市 ー

・山口大学

 

山口大学では、国際総合科学部や若者の地元定着促進の取組について伺いました。

国際総合科学部は、グローバル化に対応したコミュニケーション能力及び課題解決能力等を育成

し、地域社会・経済を牽引する人材を社会に供給することを目的として平成27年度より設置され

ています。

1年間海外留学必須化や地域・企業との協働によるプロジェクトの企画・実行を行う課題解決型学

習の導入、少人数教育の徹底など特色ある取組を行っており、中でも山口市との共催で山口市地方

創生推進カンファレンスの開催し、行政や企業、大学等各種団体が集まり、各種課題を解決するた

めの新たな連携体制を構築しています。

また、若者の地元定着促進に向けて、産学官一体となったYFL(やまぐち未来創生人材)育成プロ

グラム(1年目:地域で生き抜くための実践的なスキルの取得。2年目:県内各地域での参加大

学・高専学生による合同合宿型フィールドワーク。3年目:課題解決型の実践的なインターンシッ

プ)にも取り組んでいます。

これは、上記のような地元企業との連携による課題解決型インターンシップであったり、地域で活

躍する実績ある企業経営者による授業をとり行うなど、地域の雇用創出や学卒者の地元定着の向上

に向けて取り組まれています。

地域に入り込み、課題に向き合って解決を行っていくという素晴らしい経験がこちらではできるよ

うです。地域を背負う人材として彼らの将来を期待します。

 

(山口大学の岡学長に、取組のご説明をいただきます。)

 
(今回は、学生達とも懇談をする機会をいただきました。)

・やまぐち創業応援スペースmirai365

 

「やまぐち創業応援スペースmirai365」は、山口県の「まちなか創業チャレンジ応援事業」とし

て、 公益財団法人やまぐち産業振興財団より委託を受け女性創業応援やまぐち株式会社が運営して

いるビジネス・インキュベーション施設、つまりは創業応援スペースです。

創業者や創業志望の方が、集い、繋がることができるしくみや、将来は自分のお店を持ちたいと思

っている方へのノウハウの提供など、創業やビジネスの拡大を目指す方々を応援するというもの

で、コワーキングスペース、シェアオフィス(UIJターンを中心に17事業者が利用)など「実践の

場」を活用し、インキュベーションマネージャーや関係機関が連携して創業の立ち上げや創業希望

者の夢の実現を支援しています。また、チャレンジモールなる、(ショップ)雑貨販売・ネイル・

リフレクソロジーなど、商店街という立地を活かして創業したい方に、低コストでお店を持つ事が

出来るスペースも提供しています。

これまで、一本8万8千円の超高級日本酒「夢雀」などの事業化が実現しているようです。↓

(365の正面口で、左から村岡・山口県知事、杉山・女性創業応援やまぐち(株)社長、松浦・(株)ARCHIS社長です。少々わかりづらいですが、入ってすぐ商店街状に両サイドにお店が並ぶ、チャレンジスペースがあります)

 

ー 宇部市 ー

・(株)ヤナギヤ

 

株式会社ヤナギヤは、水産練り製品製造設備の設計・製造・販売等を行う2016年に創業100

年を迎えたニッチトップ企業です。特に、カニカマ製造装置に限定をすれば世界シェアトップの7

0%に達するといいます。熟練の技術をいかし、カニの触感、見た目、色合いを再現しています。

そのノウハウ・技術を活かし、クライアントから様々な相談を受けて、新規事業分野の医療や介護

分野をはじめ、豆腐、海苔、菓子、パン、ペットフード等の異業種向け設備の開発も積極的に展開

する‘雑食性企業‘です。これは、リスクヘッジの意味も込めて、何かに特化した肉食も草食も長続き

せず、雑食企業が一番持続的であるとの考えの中で生まれたもののようです。

経済産業省「グローバルニッチトップ企業100選(2014年)」、「雇用創出企業1400社(2

009年)」などを受賞しているほか、安倍総理の施設方針演説でも、「世界一を目指す気概のある

企業」として言及をされており、地方の中小企業でありながら、その提案力と技術力で世界で勝負

する地元発の先駆的企業です。

 

(柳屋社長と懇談させていただきました)

 
(EUでも、カニカマ人気は根強いといいます。↑)

 

ー 宇部市 ー

・JAXA西日本衛星防災利用研究センター

(陸域観測技術衛星2号 「だいち2号」の模型です。)

 

JAXA西日本衛星防災利用研究センターは、政府関係機関の移転事業として、JAXA、山口大学、山

口県の3者が、連携して衛星データの防災分野等における利用を促進するため、平成29年2月に

開所されています。

同年4月より、JAXAの職員4名が常駐(JAXAの身分を有する山口大学の研究者)しており、これに

加え、設備運用事業者2名が常駐しています。

こちらには、陸域観測技術衛星「だいち2号」の衛星データ処理設備・解析端末、超高速インター

ネット衛星「きずな」通信アンテナ等の設備を有しています。

こうした衛星データの利活用によって、災害対応力の強化や防災・農業・漁業分野等における衛星

リモートセンシング技術を応用した製品の実用化等により新産業を創出しています。また、留学生

の受入等国際共同研究などによる人材育成、国際連携を強化しています。

 

(以上)