平成29年4月03日 参議院決算委員会

 

平成29年4月03日 参議院決算委員会

○石上俊雄君 こういう課題も一つあるんですね。施設はあるのは分かる、さらにはその利用状況が少なくて何とかせぬといかぬというか、本当に使うべきものだったらやっぱり残しておかないといけないですから、有効活用するべくいろいろ方策は打つわけでありますが、しかし法的な制約も出てくるという、こういうものがありまして、じゃ、今に始まった話かというと、資料の三の①のところに書いてありますが、平成十七年と平成二十三年、この決算委員会で決議をされた内容を提出させていただいた経緯があるんです。ほとんど同じ内容ですね。有効活用しなさいというんですが、なかなかこの過去に出したものが反映されずに、現在また同じような指摘を受けているというのがこの現状なんです。
そこでお聞きしていきたいというふうに思うんですが、検査院からは、先ほど言った決算報告書には所見が書いてあるんですね、検査院の。その所見が書いてあるにもかかわらず、さらには決算委員会で決議したにもかかわらず、なかなか前に進まない、各府省の保有する研修施設の有効活用が先に進まない。そして、これはいろいろ聞いてみますと、内閣人事局の所管外だというふうな話も聞くわけでございます。
そこで山本大臣にお聞きしたいんですが、政府の中で指摘されたことがなかなか改善されない、先ほどPDCAサイクルと出ましたが、なかなかこのサイクルが回らない、そこの原因というか要因はどこにあるのか、ちょっと御認識をお伺いしたいと思います。

○国務大臣(山本幸三君) 内閣人事局は、縦割り行政の弊害を排して、各府省一体となった行政運営を確保するとともに、政府としての総合的人材戦略を確立するために、平成二十六年の国家公務員法等の一部改正により設置されました。
 研修に関しましては、内閣人事局は、各府省等の実施する研修についての総合的企画及び調整を担っておりまして、各府省等において研修が効果的、効率的に実施されるよう、これまでも各府省等に対し研修内容の改善に努めることや相互の連携協力等を求めてきたところでございます。
 ただ、今般の会計検査院の報告書でいろいろ指摘を受けました。そこで、各府省等における効果的な研修の実施がしっかりと図られるように、他府省等への貸出しが可能な研修施設についてどういうものがあるか取りまとめて、それを活用しろというような御指摘もありましたので、先般、これを取りまとめまして、先月の三月三十一日付けで各府省等に対して情報提供したところでございます。そういう意味で、そうした取組によって、是非、効果的、有効な活用がなされてもらうようにお願いしたいところであります。
 今後とも、各府省等における研修が効果的、効率的に実施されるよう、必要な情報提供等に努めてまいりたいと思っております。

○石上俊雄君 是非、効率的な使用というか、環境ができるようにお願いしたいと思うんです。あれば便利というのは分かります。しかし、これもただ単に持っておくだけだとお金掛かっちゃいますので、そこはやっぱりめり張りを付けて、統合できるところは統合するというようなことも視野に入れながら、今後しっかりと検討していただきたいと、そういうふうに思います。
最後のテーマになりますが、三つ目です。昨年四月の随時報告で指摘された原子力災害対策施設の整備についてお伺いをさせていただきたいと思います。
ちなみに、四の資料の①のところは、これは、柏崎市の防災ガイドブックということで、自慢じゃないですが、私の実家が柏崎市にありまして、コピーして入れておきました。こういうのが原子力発電所があるところの地域には配られるんです、避難計画ということで。
私の実家は柏崎刈羽原子力発電所から十キロぐらいのところなので、エリア的にいうとUPZというところに入るわけですね。原子力発電所の近くの五キロ圏内、PAZの方々は、何かあったときには即避難する。だから、要配慮者の方はその前段で、みんなが逃げる前に動き出すというような、しっかりとしたこういうものが出されているわけなんですね。
そこで、いろいろちょっとお聞きしていきたいんですが、まず、資料の四の②に記しておきましたけれども、昨年の四月の随時報告書の中で、原発の一時退避所における水、食料、電源用の燃料の備蓄不足、さらにはオフサイトセンターにおける電源用燃料の備蓄不足、おおむね一週間程度稼働するのに、物がなかったということですね。三番の放射線に関する知識の普及啓発のための放射線測定器の未活用問題というのが、三つ指摘されているんです。
これは一年前に指摘されているので、その後どうなっているのか、何でそういうふうな方向になっちゃったのかといったところを、内閣府、御説明いただけますでしょうか。

○政府参考人(平井興宣君) お答えいたします。
平成二十八年度四月の会計検査院の報告書において、平成二十四年、平成二十五年度の原子力災害対策施設整備費補助金により整備された放射線防護対策施設百四十か所のうち、百六か所で水、食料等の備蓄品が整備されておらず、五十九か所で非常用電源装置の連続稼働日数が道府県が設定した屋内退避可能な日数を下回っている、平成二十四年度補正予算の原子力発電施設周辺地域防災対策交付金で購入した放射線測定器八千六百七十二台のうち、六千七百二十九台が一度も普及啓発に活用されていないという指摘を受けたところでございます。
道府県は、この会計検査院の指摘を踏まえ、まず、水、食料等が未整備の百六か所の施設について、平成二十七年度の原子力災害対策事業費補助金により水、食料費を購入し、必要な日数分を確保しました。また、燃料が不足している五十九か所の施設については、五十五か所の施設において県と県石油組合等との燃料の供給に関する協定等を締結いたしました。また、残りの四か所については、平成二十九年度中に順次締結する予定でございます。
原子力発電施設周辺地域防災対策交付金で購入した放射線測定器のうち普及等に活用されていないものは、説明会や訓練等で四千百九十八台を住民の普及啓発のために活用いたしました。これらについては、今後も機会を捉えて継続的に活用してまいります。また、現時点で未活用の二千五百三十台についても、平成二十九年度中には説明会や訓練等で住民への普及啓発のために活用することといたしております。
内閣府といたしましては、会計検査院の指摘事項を重く受け止めており、これまで以上に適切に予算を執行するよう道府県に指導していくとともに、引き続き住民の安全、安心を旨として、避難計画を中心とした原子力防災体制の充実強化に取り組んでまいります。

(略)

○松川るい君 おかしいと思うんですよね。日本中の母親はそれをやっているわけです。日本中の母親が普通にやっていることを業としてやることができないという規制をどうして政府が課す必要があるのか、全く分かりません。常識というものがありまして、それはまあゼロ歳児でふにゃふにゃの赤ちゃんは見守っていないとと、これは分かるんです。五歳児がそこらで宿題をしていて、その横で火を使って調理をしたらそんなに危ないのか。そんなことはないんじゃないでしょうか。これは、時と場合によって、状況、状況に応じてコモンセンスを持って判断すべきことだと私は考えます。
したがいまして、今私は、法律承知しております、見せていただきましたけど、従事すると書いているところをそこまで読み込むのは解釈し過ぎなんだと思うんですね。実際、そうじゃないサービスを既に提供されている方々もおられて大変御好評いただいているわけですから、私はこの、まあ何というんですかね、ちょっとしゃくし定規な余り現実に即さない解釈を是非厚生労働省にやめていただきたいということを要望しておきたいと思います。
次に、まだ行きたいんですが、ライフスタイル、大きなポイントになるのが、次は休暇でございます。私は、休暇は単にリフレッシュをするということだけではなくて、消費をしてもらうという意味でも日本経済にも貢献する非常に大事なところではないかと思っております。盆、暮れ、正月とか決まり切った休みだけではなくて、その時期、日本中混み合うわけでございまして、そうじゃなくて、もう自分のタイミングで、一日とかじゃなくて一週間休むことがあってもいいんじゃないのかなと思っております。これも別に今制度上できないわけじゃなくて、皆さん平均的に有給休暇を余らしまくっているわけでございます。
これは、なぜそれが取れないのか。そういう雰囲気じゃないとかいろいろあると思うんですが、ここについては、私は是非、例えばプレミアムフライデーとか、昔は、土曜日も休みじゃなかった時代に、土曜日休んだらもう経済成長しなくなると言われたときもあったけれども、導入をして現在に至っているわけでございまして、政府が、例えばバカンスジャポネとかいってそういうキャンペーンを張って、ちょっと決まり切ったときじゃないタイミングでも少し休む、休んで家族や友達と一緒に時間を過ごして、できれば日本の中でたくさん消費をしてもらって消費も喚起してもらうといったようなキャンペーンを張ってはいかがかと思っております。
まずお伺いしますが、これ簡潔にお願いいたします、日本人の有給休暇取得の現状はいかがでしょうか。

○政府参考人(土屋喜久君) お答え申し上げます。
年次有給休暇の取得率につきましては、平成二十七年の調査で四八・七%と近年五割を下回る水準で推移をしておりまして、その取得の推進は重大な課題であるというふうに認識をしておるところでございます。
取得をしない理由としては、働く方の約三分の二の方がその取得にためらいを感じていて、そのためらいを感じる理由として、みんなに迷惑が掛かると感じるから、後で多忙になるから、職場の雰囲気で取得しづらいからといった回答が多くなっております。

○松川るい君 ありがとうございます。
まさにみんなで一斉にやらないと変わらないことの典型だと私は思います。是非、まず隗より始めよではございませんが、国家公務員からこういったキャンペーン、名前は私が勝手にバカンスジャポネと言っておりますけど、やっていただいて、特に国家公務員の方々非常に激務でありまして、私もその当時は人のことを言えた義理ではなかったですけど、たくさん休暇を余らせておられます。是非、ふだん激務なのがなかなか変わらない現状はあるかと思いますけど、せめて休みを何でもないときに一週間取ったらどうだというキャンペーンをやっていただきたいと思いますが、大臣、いかがでしょうか。

○国務大臣(山本幸三君) 政府としても、国家公務員の女性活躍とワークライフバランス推進のための取組指針等に基づきまして、年次休暇の取得促進を推進しているところであります。御指摘のとおり、まとまった形や週末に続ける形で連続休暇を取得することも有意義であると考えております。政府の方の、国家公務員の取得率は六七・五%でちょっと民間よりも高うございます。このため、休暇取得を促進するに当たりまして、各府省とともに、夏季及び年末年始における一週間以上の連続休暇に加えて、一定程度繁忙な時期が継続するプロジェクトの終了後における連続休暇、各職場等の実情に応じた月曜日又は金曜日の休暇等も取得できるよう努めているところであります。
 今後とも、年次休暇の取得促進など、国家公務員のワーク・ライフ・バランス推進に努力してまいりたいと思います。
 ちょっと所管を外れますけれども、御指摘のように、休暇をしっかり取っていくことは、消費も増やすし、観光も進むわけであります。私は、観光関係もちょっとやっていたものですから、そのときの最大のネックは、観光産業が余りに、連休とかそういうときに人が来るんだけど、そのほかのときは人が来ない、そのために正規雇用がなかなかできないという状況があって、これが一つのネックなんですね。その最大の問題は、年休を取ればいいという話があるんですけれども、親が年休を取っても子供が休めないと観光に行けないんです。
 したがいまして、私は、例えば小学校なんかは一週間ごとに各地域ごとに休みをずらしたらいいじゃないかという話をしておりまして、これは、文科省に話をしましたら、その地元の教育委員会がそういうことを認めればできるというような話でありまして、是非、これは今文科省にもお願いしておりますけれども、各地方の教育委員会がそういう考えでやってもらうと平準化していきますので全てにおいて良くなるというようにも思っております。

○松川るい君 大臣、ありがとうございます。
大変いい御示唆というか、私も、小学校の休暇をずらしてくれたら、きっとあちこちに行く人が増えて、消費喚起にもなるし、子供たちもきっと両親と一緒にいろんなところ、日本の中で見られて、教育的にもいいと思います。是非進めていただきたいと思います。
次に、働き方に戻ります。
私、目指すべきライフスタイルの中で、やっぱり仕事って日本人のみならず非常に大きなところだと思いますが、縦にも横にも自由に生きるということをもっと意識したらいいんじゃないのかなと思っております。
縦というのは人生を縦軸に取ってという意味なんですが、特に女性は出産や結婚といったライフステージがありますので、ずっと同じ仕事やずっと同じ働き方でなくてもいいし、出産を機にしばらく休むんだけど、また復帰して、そのときには同じじゃなくて、例えばNPO法人を始めることがあるかもしれない、ある人生の時期には学校に行きたくなるかもしれない、いろんなことが人生の中の縦軸にあっていいと思います。これは、既に働き方改革の中でも、柔軟な働き方であるとかそういったところで御努力いただいていると認識しています。
もう一つは、横にも自由でいいじゃないかと。これは、いわゆるマルチキャリアといいますかパラレルワーク、副業、兼業といったことをもっと普通に、やっているのが当たり前というか、そういうことになったらいいんじゃないのかという話でありまして、これは今回出された働き方改革計画の中でも言及いただいているところなので、政府としても御認識いただいているところだと承知しています。
私は、地元の大阪のリーディングカンパニーでロート製薬というところがあって、これは個別企業名出させていただきますけど、ニュースになったから構わないと思いますが、去年の二月に兼業、副業を解禁して、今、応募が六十人から始まったんですけど、いろいろ進んでいて、地ビールの会社というか起業をする人とか、違うところで働く人とか、いろいろ出てきているそうです。
なぜこれをしようと思ったかといったときに、その社長は、人間の能力というのは一つだけじゃないし、いろんな自分の能力を生かしたいと自分は思うし、きっとみんなそうだろうと。そしてまた、そのいろんなところで培ってきた経験とかというのが本業の方にも、新しい発想であったり、そういったものにつながってくると期待しているということでありました。
私は、付け加えて言うと、これがずっと進んでいくと、実は、今、大企業とか企業側は副業をどこかでやってきてもらって主がこっちだと思っていますけど、これがみんなが進んでいくと、企業の方が副業で来てもらう側になることもあり得ると思うんです。例えば、A企業で勤めている人が副業でB企業でいて、B企業も別にちっちゃなところではなくてというようなことも十分あり得るというふうになっていくんじゃないかと思います。
私は、このマルチキャリア、副業、兼業、いろんな在り方があっていいと思うんですけれども、これが進むことはイノベーションの創出にもつながるし、新しいいろんな働き方を柔軟にするという意味でも意味があるし、会社の多様化にもつながると思っておりますが、この兼業、副業をどのように推進していくという御所見か、大臣の見解をいただければ有り難く存じます。

○国務大臣(加藤勝信君) 私も、今委員が具体的な会社名をおっしゃいましたけれども、ロート製薬にも行かせていただいて、その取組についてお聞かせをいただきました。
実際、兼業、副業を希望する方、近年増加しているんですけれども、これを認める企業は決して多くない、むしろ少ないと言っていいんだろうと思います。当然、兼業することによって長時間労働等になってしまってはこれは何のためかということになりますから、そういった健康確保には留意をしつつ、原則認める方向で兼業、副業の普及促進を図っていきたいと私どもは考えております。
兼業、副業には、今委員御指摘のように、いわゆるオープンイノベーション、あるいは起業ですね、ビジネスを起こす、そして、それのみならず、その働いている人たちの能力のブラッシュアップ、開発にもつながっていく、こういうメリットを示していくと同時に、これまでの裁判例や学説の議論を参考に、就業規則などにおいて本業への労務提供や事業運営、会社の信用、評価に支障を生じる場合など以外は合理的な理由がなく副業、兼業を制限できないことをルールとして明確化するために、モデル就業規則というものを改定をしていく。
他方、先ほど申し上げた長時間労働を招いたのでは本末転倒になりますので、労働者が自ら確認するためのツールのひな形、あるいは企業が副業、兼業者の労働時間や健康をどのように管理すべきかを盛り込んだガイドライン、こういったものを策定することによって、先ほど申し上げた兼業、副業の普及促進を図っていきたいと考えております。

○松川るい君 ありがとうございます。本当にすばらしい取組、進めていただければ有り難いと思います。
そのロートの社長がおっしゃっていたのを、私、印象的だった言葉が、今は日本の中では肩書でみんなそれぞれの個人が認識されることが実態だと、これからは副業、兼業をいろいろ進めていくと、肩書じゃなくて、肩書から個人を認識するんじゃなくて、個人から肩書という逆方向に行くのではないかと言っていました。私は、それはとても生き方の豊かさ、まさにライフスタイルの豊かさというのを一つ担う大きなきっかけになるんじゃないかと思っているところであります。
次に、縦にも横にも自由に生きるという両方に関わって、イノベーションにも関わるし、生き方にも関わるという、それからまた、私は、日本の社会の中でちょっと窮屈だと思っているのが、失敗やリスクに対して不寛容であるという、この三つに関わる点なんですけれども、若者の起こし業、起業というのが私は非常に有意義なんじゃないかと思っています。
例えば、高校生で起こし業というのはすごくいいと思うんですね。そのときであれば失敗しても、まあ普通親御さんおられたりするので、経済的にあしたから困窮するということにはならないし、また立ち直りもできるし、いろんな、そしてまた、そのときの経験、失敗を経験にして将来の更なる起こし業であったり違うビジネスであったりに生かすことができると思うんです。
また、そういう意味では、その縦の生き方でも意味がありますし、また、こういう起こし業というのがいろいろあると、全部が成功するわけではない、若者がやるということなので、失敗するということが必ずしもマイナスではない、もちろん皆さんに余り迷惑掛けちゃいけないんですけれども、より日本社会が失敗であったりリスクに対して寛容になっていくという、そういう契機にもなるんじゃないのかなと思っております。
私、政府の方も若者、女性もですけれども、起こし業、推進していると承知をしておりますが、このお取組について今後更に発展させていただきたいと私思っておりまして、どういうふうに現状お取り組みなのか、これからどうしていきたいのかについて御所見をいただければ有り難く存じます。

○大臣政務官(井原巧君) 簡潔にお答え申し上げます。
もう議員のおっしゃるとおりでありまして、こういう社会風潮が、働き方改革も経済の方も、同じようなベンチャーのことも言えるんだろうと、少し保守的なんだろうと思っております。
私が政務官に就任してから、高校生、大学生、あるいは若者の大会に出たのは、高校生ビジネスプラン・グランプリとか、イノベーションリーダーズサミットとか、大学発ベンチャー表彰式等、経産省としてもかなり頑張っていると思うんですけれども、これが社会に広がらないことがやっぱり一つの大きな課題だというふうに思っておりまして、経産省といたしましても、是非このチャレンジ精神の高揚を図れるように、経産省としての制度設計とか政策支援とか低利融資とか、様々な側面で取り組んでまいりたいと、このように考えております。

○松川るい君 ありがとうございます。
今ちょっと言及していただいたビジネスプラン・グランプリ、これ今年の優勝者は私のまた地元の三国丘高校だということで、大阪の高校だということでございます。引き続き頑張っていただきたいと思います。
最後の質問をさせていただきたいと思います。今言ったちょっと窮屈だというところにも絡んできますが、何かスキャンダルがあるとすぐに萎縮をして全部駄目になってしまうというのが日本のありがちな、いろんなことに関してあると思うんですね。研究開発についてもそうかもしれないし、一回事故が起きたりするとその研究自体駄目になったりする。
今回、文科省の天下り事案がありました。あれは本当けしからないお話でございまして、しっかりと対処しないといけないのは当然です。ただ、大変、国家公務員、優秀な方が多くて、その人材を一億総活躍社会の中で生かせないというのは、非常に私は間違ったことだと思っております。
今回の文科省の天下り事案によって、私は、公務員の再就職であるとか、その能力の活用において萎縮効果が生じてはいけないと思っています。今回、その公務員の再就職というところで、辞めた後に再就職するということもありましょうし、また在任中に、リボルビングドアとは政治任用の国の話なので同じではないと思うんですけれども、民間と交流をしてお互いに刺激をし合うといったようなことも大事だと思っております。
公務員経験者が民間に出て活躍できるように、在職中も、退職というか、その任を終えられた後もやっていくべきだと思っておりますが、大臣の御所見いただきたいと思います。

○国務大臣(山本幸三君) 国家公務員の再就職につきまして、問題なのは、官民の癒着につながりかねない予算、権限を背景とした再就職のあっせん等の不適切な行為であります。一方で、公務員が法令に違反することなく再就職し、公務部門で培ってきた能力や経験を活用して社会に貢献することには極めて大きな意味があると考えております。したがいまして、規制すべき点は規制しながらも、公務員人材の能力や経験が社会において生かされるように政府としても適切に対応してまいりたいと思います。
 現在、内閣人事局に立ち上げた再就職徹底調査チームで全省庁的な調査を行っているところでありますが、御指摘の点も踏まえて、どのような対策を取れば実効が上がるか、しっかりと検討してまいりたいと思っております。

○松川るい君 ありがとうございます。
公務員の皆様におかれては、しっかりとそういう意識で意気高く頑張っていただければと思います。
どうもありがとうございました。
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(略)

○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
実は、この金曜日に私ども質問通告をしているわけでございますけれども、プレミアムフライデーでございました。大変申し訳ないなと思いながら私も質問を出したところでございましたんですけれども、やはりこのプレミアムフライデー、大変私は面白い試みだと思っております。
世耕大臣、どのような狙いで、本当にこの効果が上がっているのかどうか、教えていただけますでしょうか。

○国務大臣(世耕弘成君) 確かにこの委員会に対応するに当たってこの間の金曜日は結構大変だったわけでありますが、薬師寺委員は前日に要旨を通告していただいて、午前中にはほぼ内容を確定していただきましたので、うまくテレワークなんかを使って、きちっと職員はそれなりにプレミアムフライデーを楽しむことができたのかなというふうに思っています。
このプレミアムフライデーは狙いが二つありまして、まず一つは、やっぱり停滞する消費を活性化しようということ、そして、三時という決まった時間に月に一回早く帰るということで、働き方改革につなげていこうということが狙いになっております。
先月、二月二十四日に第一回をやりましたけれども、企業によっては売上げが一割から二割、デパートではやっぱり、あるデパートでは一七%対前年同期比で増えたというところがあります。そして、先月は百三十の企業が従業員への早期退社の呼びかけを実施をいたしました。メディアでも相当取り上げていただきまして、この取組に対する理解、参加がだんだん広がってきているというふうに思います。
この間の金曜日がどうだったかというのを取りまとめろというと週末働くことになるので、これはまだやっていませんけれども、現時点で把握できていることとしては、ロゴマークの使用の申請が六千社以上、そして従業員への早期退社を呼びかけた企業は三百十六社というふうに把握をしております。

○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
参議院改革協議会も実は第四金曜日に行っていたんですけれども、来月はちゃんと第三にしようということになりまして、なるべく私どもは公務員の皆様方にも御利用いただきたいと思っております。
と申しますのも、皆様方、資料二を御覧いただきたいと思います。国家公務員のこれは超過勤務の時間でございます。これ、一年間でこれだけということで調べが付いているというふうに私報告を受けましたけれども、これ実は厚労委員会でも取り上げまして、これ本当の数字なのかなと疑問に思っております。
資料三に準備いたしましたのが、これは霞が関で働く女性有志の会が作った資料でございます。やはりこのぐらい女性が働きやすい改革をしていかなければ、とてもではないですけど自分たち生活もしていけないという実態の中で、どうもこの数字、そして私どもが帰りに見て官庁の光がこうこうと八時でも九時でも付いているこの現状から見ると、この数字自体が疑わしいのではないかと私は思っております。
山本大臣、もう少し正確にしっかりと、どのぐらいの残業時間があるのかということを私は把握すべきだと思いますけれども、御意見いただけますでしょうか。

○国務大臣(山本幸三君) 国家公務員の超過勤務は、公務のために臨時又は緊急の必要がある場合において正規の勤務時間以外の時間において勤務することを命ぜられたとき、この超過勤務命令に従って行われるものであります。超過勤務の状況については、これに従って各府省において適切に把握されているものと承知しております。
 国家公務員の長時間労働の是正に向けては、平成二十六年十月に取りまとめた国家公務員の女性活躍とワークライフバランス推進のための取組指針等に基づいて、政府一丸となって、ゆう活などを通じた超過勤務の縮減、国会関係業務の効率化等に取り組んでいるところであります。
 今後とも、超過勤務を縮減する前提として、超過勤務を実施する際に、その理由、見込み時間等を上司が把握するなど、勤務時間の適切な管理を更に徹底してまいりたいと思います。

○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
省庁を辞められた後の方の暴露本などを見ますと、これは一か月に三百時間働いたぞという記入があったりですとか、本当に激務であるということも私は国民も認知するべきだと思うんです。残業代が出ないから付けなくていいだろうと、そういうことではなく、やはり私ども、これだけブレーンとしていろんなことで協力いただいている皆様方も働きやすい改革というものを行っていかなければならないと思います。
その中で、働き方改革実行計画の中におきましても国家公務員の長時間労働対策というものが盛り込まれていることが分かりまして、私、大変うれしゅうございました。着実に計画を実行して、国家公務員の皆様方がやっぱり国民に対しても率先的にそういう姿勢を見せていくことというものが大事かと思いますけれども、働き方担当大臣として加藤大臣、一言いただけますでしょうか。

○国務大臣(加藤勝信君) 今委員御指摘がありましたけれども、長時間労働を前提とした働き方を改めて、限られた時間内で成果を上げ、生産性の高い働き方へ変えていく、これはもう官民共通の重要な課題だというふうに考えております。
国家公務員においては、国家公務員の女性活躍とワークライフバランス推進のための取組指針などに基づき、政府として一丸となって業務そのものの削減、合理化、またゆう活の実施など様々な形で働き方改革を推進してきたところでありますし、また、先般決定いたしました働き方改革実行計画においては、国家公務員については、民間の制度改正を踏まえ、適切な公務運営の確保に配慮しつつ、より実効性ある対策を検討する、また、超過勤務を縮減する前提として、超過勤務を実施する際に、その理由、見込み時間などを上司が把握するなど、勤務時間の適切な管理を更に徹底する、さらに、年次休暇の取得促進に向けた取組を徹底するとされたところであります。
今後、この働き方改革実行計画を踏まえ、国家公務員について、山本国家公務員担当大臣とも連携をしながら、一体となって働き方改革、また長時間労働の是正に取り組んでいきたいと考えております。