平成29年2月06日 衆議院予算委員会
○麻生国務大臣 中央省庁のOBが在籍している、いないにかかわらず、公益法人全体でお答えさせていただきますと、平成二十九年度予算において、主として公益法人等への支出が見込まれるものとして各府省から登録のあった補助金、委託費等の総額は二千九百八十七億円であります。
このうち、中央省庁OB職員等々の在職している公益法人への支出につきましては、これは内閣人事局が再就職状況の資料を取りまとめておられます関係から、この資料をもとに、現在対象となります公益法人への補助金、委託費の金額が幾らとなるかは、作業をまだ行っている最中なので、これはちょっと時間がかかります。
その上で、主としてと申し上げましたけれども、役所におられたので御存じと思いますけれども、これは委託に出しますので、そこから公募したりなんかしますから、その公益法人から先のあれに行きますので、そこは直接、ただ単に抜けていくだけで、応募したところに行きます関係がありますので、これはあくまでも私どもからそこに行ったところまでであって、そこから先の話は私どものところではわかりませんので、その点は、二千九百八十七億、全額がそこにとどまっているという可能性はむしろ低いと思います。幾らかの分は外に出ていると思います。
○小川委員 総額で約三千億円というお話でありましたが、かなり大きな額ですよね。
実は、何年か前、私どもが政権を担当する前ですが、特に長妻理事初め、予備的調査というのを行わせていただいたことがあります。そのときの統計調査をちょっと引っ張り出してきたんですけれども、当時、対象団体が六百三十二、該当団体への国からの資金交付の合計額が五千三百億円ということでありました。ですから、若干圧縮されているのかとも思いますが、おっしゃったようにその先もわかりませんので、実態はよくわかりません。
そこで、お尋ねです。この文教協会の解散劇は、いろいろな評価があると思いますが、一つ、この解散そのものが隠蔽になってはいけないというのは先ほど玉木委員が指摘したとおりです。もう一つ、この団体は昭和二十四年の創業とお聞きしています。ですから、戦後すぐ立ち上がった、いわば歴史と伝統のある団体です。ほとんどが出版関連だったということでありますが、かくも簡単に解散できるということ自体、要らない法人だったんじゃないですか、文科大臣。
○松野国務大臣 設立に関しましては、委員御指摘のとおり、昭和二十四年来の長い歴史のある団体であります。その間の活動に関しては、有用な活動をされているものも私はあると思います。
今回解散に至ったということに関しましては、社会的にも信頼を損ない、今後の運営が厳しくなるということで、今回の事案に対しての問題意識が大きかったということではないかと思います。
○小川委員 早期の事態の収拾を図るという意図があるように感じましたが、出版関係を文科省本体に引き取るということとは別に、例えば決算を見ますと約三億円、特に受取負担金等が二億五千万ですか、かなりの収入がほかにもありますからね、簡単に廃止できるような法人ということは、つまり、そもそも要らなかったんじゃないかという疑念すら生じます。昭和二十四年から一体何をやっていたんだ、OBを養うためだけかと言われてもおかしくないような今回の解散劇でありました。
麻生大臣にいま一度戻りたいんですが、事ほどさように、この約三千億の予算がどういう実態のある団体でどのように使われるのか。
そして、全庁調査、全省調査、山本大臣が担当されていると思いますが、先週から私どもが指摘、主張しておりますとおり、この天下り構造の全容解明と本予算がどういう道筋でどのように流れるのかということは密接不可分でありまして、まさに予算審議の最中に全省調査についてもきちんと御報告をいただくということがこの予算案審議の前提になると思いますので、まず山本大臣からは、そこに向けてこの全省調査を急ぎますという御答弁をいただきたい。麻生大臣からは、この全容解明なくして予算案通過あるいは予算の執行、公益法人向けのこの二千九百八十七億円だけで結構です、その安易な執行はないということ。それぞれからお約束をいただきたい。
○山本(幸)国務大臣 今般の文部科学省事案で生じました国民の疑念を払拭するために、安倍内閣総理大臣から私に対して、同様の事実がないかどうか、全省庁について徹底的な調査を行うように指示がありました。
今しっかり調査をやり始めたところであります。調査をおくらせる意図は全くありません。大事なことはしっかりした調査を厳正に行うということでありまして、ただ、最初からスケジュールありきではないと考えております。一方で、調査結果が出次第、速やかに結果を明らかにしていくことも重要であり、私の指揮のもと、スピード感を持って進めてまいりたいと思います。
○麻生国務大臣 御存じかと思いますけれども、今この中で一番多いのが子ども・子育て両立支援事業等々の一千三百十三億とか、そういうのが一番大きな形になっておりますので、あと七億とか、何かいろいろ小さいのがございますけれども、今、山本大臣の答弁にありましたとおりに、私どもとしては今、予算を審査した上で二千九百八十七を出しておりますので、私どもとしては、出した内容について、そこの先の省庁でよくお調べいただかないかぬということになるんだと思います。
○小川委員 予算の審査は文教協会についても行われているはずですからね。今回、法人の解散と支出の取りやめということが予算審議中に明らかになっているわけですから、もちろん私も全否定していません、物によっては必要なものあるいは緊急性を要するものがあるでしょうが、その前提に、天下りに関する各省庁の構造なり全容の解明が先決ではありませんか、あるいは同時並行でやられるべきではありませんかということを申し上げています。
山本大臣、これは予算審議に資する必要があるという点は少なくともお認めいただけませんか。スケジュールありきではないという重ねての御答弁ですが、予算案の審議に当たって極めて重要な情報であると。全省庁の天下り構造がどうなっているか、その意義、価値についてはお認めいただけませんか。
○山本(幸)国務大臣 私が安倍総理から指示を受けておりますのは、国民の疑念を払拭するということが極めて大事だということでありまして、それに基づいてしっかりと厳正に徹底的な調査を行いたい、最初からスケジュールありきではないと考えております。
○小川委員 私どもとしては、やはり予算審議中、特に衆議院における予算審議中に一定の経過報告なり中間的な取りまとめ、文科省はその気になればわずか一日のヒアリングでここまでやったわけですから、これはぜひお願いをしたい、改めて強く主張したいと思います。
最後に、もう残りわずかなんですが、先般のやりとりの中で少し気になりましたので、農林大臣にお聞きしたいと思います。
再就職のあっせんにかかわることについて、法に触れない情報提供というものはあったという御答弁、そういう趣旨の御答弁を後藤委員の質疑の中でいただいたと記憶しています。法に触れない情報提供とはどのようなものですか。
○山本(有)国務大臣 先日お答え申し上げましたものは、再就職規制に違反しない外部への情報提供の例として考えられるものをあくまで一般論としてお答えしたわけでございます。実際にそうしたことがあったかどうか確認をしているわけではございません。
一方で、現役職員の人事におきまして、独立行政法人に退職出向させるケースもございまして、この場合は、当該法人への情報提供は合法的なものとしてとり行われているところでもございます。
いずれにいたしましても、国家公務員法に基づく再就職規制に違反する情報提供を行ったことはないという趣旨でございます。
(略)
○高井委員 岡山から参りました高井崇志でございます。
引き続き、天下りの問題について、私も質問させていただきたいと思います。
天下りはそもそも何が問題なのか、なぜ許されないのか。幾つも理由はあると思います。しかし、私は、最大の問題は、やはり税金の無駄遣いにつながるんだと。天下り先を確保するために、本来の必要性とは別な組織を温存したり、あるいは新たにつくったり、公費を投入したり、必要でもない事業に税金が投入される。この天下りの実態がある限り、予算案にもそういう予算が含まれている可能性は高いわけです。だから、この予算委員会でもこれだけ取り上げているわけでありますし、予算案の審議が終わるまでにこの天下り問題の全容解明は不可欠である。
そういう意味では、先ほど、小川委員の答弁に、山本大臣は曖昧な答弁でありました。私からも強く、この全容解明の、まずは全府省の調査の結果を出すということをお願いしたいし、また、予算委員会の審議においてこの天下り問題の全府省の調査の結果というのが報告されることは、もうこれは不可欠だと思いますので、委員長、お取り計らいをよろしくお願いします。
○浜田委員長 理事会で協議をさせていただきます。
○高井委員 これは強くお願いしたいと思います。
私は、民進党のムダ遣い解消プロジェクトチームという事務局長を務めております。私たちは、政府の調査よりも先駆けて、既にこの問題について全府省からヒアリングを行っております。きょうはその立場で、そこからわかった幾つかの点について御質問いたしますが、残念ながら、政府は余り協力してくれません。
そういう意味では、これは本当に国民の皆さんの大きな関心事であり、また予算案審議にとっての極めて重要なことでありますから、我々民進党として行っているこの調査にも政府はきちんと協力をしていただきたい、そのことをまずお願いしたいと思いますが、これは、山本大臣、事務方にきちんと協力するようにということを伝えることを約束いただけませんか。
〔委員長退席、菅原委員長代理着席〕
○山本(幸)国務大臣 当然、できるだけの協力はさせていただきたいと思いますが、今我々が全力を挙げて全府省に対して調査をやっているところでありますので、それを徹底していきたいと思います。
○高井委員 政府がやる調査と、国会議員、我々野党がやる調査というのは、やはり性質も違ってきますし、またそのスピード感が先ほどから言っているように全然違うわけでありますので、我々としてしっかりまずこの調査を進めますので、その点はよろしくお願いいたします。
今回の事案は、私たちは文部科学省にとどまらないのではないかと思っています。それは、そもそも、今の国家公務員の再就職の制度、平成十九年、第一次安倍内閣のときにできた制度ですが、これがもう既に機能していないんじゃないかというふうに思われます。
もともとは事前規制でした。国家公務員が離職後二年間は営利企業に対して再就職は原則できない、そういう事前規制だったのを、平成十九年に事後規制そして行為規制に転換をした。三つ禁止事項があって、一つは省庁によるあっせんは禁止、二つ目は在職中の求職活動は禁止、そして三つ目、再就職者による働きかけ、いわゆる口きき、これを禁止するという三つが柱なんです。
この間、再就職等監視委員会で摘発した事例というのは八件のみであります。そして、先ほどの省庁のあっせん禁止、一番目は二件、それから二番目の在職中の求職活動禁止というのは六件です。そして三番目の再就職者による働きかけ、これは一件も摘発した事例はありません。しかも、この八件のうち懲戒処分されたのは一件だけです。あとの七件は、事案が公表されたのみで、何ら処分はないんです。
それはなぜならば、退職した後の人は処分できないから、そういう理由です。現職の人は懲戒処分ができますが、退職した人は何もおとがめなしなんですね。これは、そもそもこの法律に問題がある。後から議論したいと思いますが、刑事罰を導入すべきじゃないか、そういう議論になってまいります。
そして、もう一つ。今六件あるという在職中の求職活動の禁止、これは一番わかりやすい例、今回もそうなわけでありますが、では、これも本当にこの六件だけなのかというのは極めて疑わしい。
実は、きょうも議論になっていますが、離職した日の翌日に再就職している例というのがかなり見受けられます。この場合、翌日ですから、在職中に求職活動をしていたんじゃないかと容易に想像できるわけですが、大臣、この離職日の翌日に再就職している例というのは全部で何件ありますか。
○山本(幸)国務大臣 平成二十一年度から現在までの間に、これは平成二十八年度第二・四半期までですが、把握している件数のうち、離職日の翌日に再就職しているものは千二百八十五件でございます。
一方で、再就職先が離職時の職員の職務に対して利害関係企業等の要件に該当するか否かについては、当該職務内容に応じて異なるものでありまして、それぞれの離職時の府省において判断されるものだと考えております。
○高井委員 私、次に聞こうと思っていたんですけれども、では、この千二百八十五件のうち、利害関係企業等に該当するものは何件ですかというふうにお聞きしようと思ったら、今答えていただきました。まあ、事前通告していましたから。これは答えられないという答えなんですね。
つまり、利害関係企業等というのは厳密に七つ要件がありまして、許認可等を受けているか、補助金等の交付を受けているか、検査、不利益処分、行政指導、契約、犯罪の捜査と、七つ、明確に要件が定められているわけです。人事課の職員であれば、あるいは国家公務員全員が本来知っていなければいけないことなわけであります。
では、これに先ほどの千二百八十五件が該当するかどうかというのを、きのう聞いたとかなら作業に時間がかかるというのはわかりますが、実は、私たちは、これを一月二十五日、十二日前の水曜日に内閣人事局を通じて全府省庁に聞いているんです。ところが、いまだに、十二日間かかっても、この数字が出てこない。きょう国会で質問しますと言っても、いまだに、何か全府省庁で作業しなきゃならないから出せませんと。十二日間、では一体何をやっていたのか。
これはやはり、この問題が明るみに出ると、全省庁の再就職規制違反というのが出てしまうから、それを隠したい、そういう意図があると感じますが、山本大臣、いかがですか。
○山本(幸)国務大臣 隠すとかそういうことは全くないと思いますが、これは各府省じゃないと判断できないところでありまして、各府省で判断すべきものだと思っております。
○高井委員 各府省にも聞いているわけです。きょうは、全府省来ていただくわけにいきませんので、何名かの大臣に来ていただいていますが、特に、我々は、いわゆる天下り、再就職が多い省庁、十三省庁に来ていただいてヒアリングをいたしました。一月の三十一日、先週の火曜日です。
それで、各省庁において、こういった再就職した人、特に離職日から翌日に再就職しているなんというケースは、これは在職中に求職活動をしていたんじゃないかと容易に想像できるわけですから、こういったケースについて確認をしていますかと聞いたところ、十二府省のうち、実に七省庁が確認していないという趣旨の答えをしていた。先週、神山委員が資料も出したと思います。
こういった回答なわけですが、私もその場にいました。財務省それから国土交通省は、かなり私はしつこく、こういう、翌日についても、離職してすぐに再就職しているようなケースというのは、本当にこんなケースも確認していないんですかと聞いても、いやいや、改めて確認はしていませんというのが事務方の答弁でありましたが、麻生大臣それから石井大臣それぞれ、本当に、この翌日に再就職していないようなケースについても確認はしていないんでしょうか。
○麻生国務大臣 お尋ねの件ですけれども、財務省においては、離職日の翌日に再就職する旨の届け出が出された場合には、従来から、離職者の離職前の職務と再就職先の利害関係の有無等々を確認させていただいております。
いずれにいたしましても、さまざまな機会を捉えて、この再就職規制の遵守というものの周知徹底を図っていかねばならぬと思っております。
○石井国務大臣 国土交通省におきましては、再就職の届け出につきましては、届け出ごとにその記載内容を確認の上、再就職等規制に違反する行為があると疑われるような事案があれば必要な調査をすることになりますが、これまで、本人に対し、個別に再就職の経緯等を確認するといったことまでは行っておりません。
なお、これまで、離職日の翌日に再就職をしていたものは、全て、利害関係のない法人等に対し就職前に再就職の約束をした場合であって、特段の問題はないものと認識をしております。
○高井委員 麻生大臣の答弁は、そのプロジェクトチームで、私がこれはもう全部メモ起こしまでして、録音もとっておりますけれども、ちょっと違うなというところもあります。
また、国土交通省は、明らかにそれはやっていなかったということでありますが、再就職の利害関係企業には該当しないということでありますが、しかし、これは翌日のケースはそうだったという答えなんですけれども、別に翌日じゃなくても、一週間とか、半月とか、一月とかいうケースは山ほどあるわけでございまして、こういったケースについて、政府として、利害関係企業等に該当するかわからない、答えられないんだということは、私は、これは本来、そもそもおかしいんじゃないか。
やはり政府として、これは内閣人事局の担当者からも、このプロジェクトチームのヒアリングの場で、届け出を受けた時点でのチェックは各省にお願いしますと、それはいろいろな場で、研修の場とかで再三申し上げていますと言っているわけです。ですから、内閣人事局はそうやってお願いしているわけですよ。
ところが、各府省は全くそれをやっていない。確かに、特に再就職が多い省庁は大変かもしれませんが、しかし、そこを確認しなかったら、どうやって在職中の求職活動をやっていたかどうかなんてことはわからない。それはもちろん、聞いたって正直に答えるかわかりませんが、少なくとも、そこを確認せずに、これがこういう実態になっているということは私は極めて不自然だと思います。
これは、内閣人事局というか山本大臣、改めてこれを今後は徹底させる、あるいは、今までやっていなかったということに対して大臣としてはどういうふうにお考えですか。
○山本(幸)国務大臣 その点は御指摘のとおりでありまして、実はこれまでも、内閣人事局としては、再就職の適正化ということで、求職活動についてのそういう届け出があった場合、現役時代に求職するということで届け出をした場合には、これは何回かのあっせん規制違反等があったことを受けまして、やっております。最新では、平成二十六年の八月二十九日付で人事局の人事政策統括官から各府省の官房長宛てに出しているわけであります。利害関係企業等への求職活動の禁止等についてですが、任命権者に提出された届け出については個別に内容を確認するとともに、再就職等規制違反が疑われる事例があった場合には必要な調査を行うことということで、しっかりと調査するようにお願いしているところであります。
これが十分に守られていないということはやはり問題があると思いますので、この点について、私は、私の名前で出すか、あるいは違う形でやるか、今改めて、再度各省に注意を喚起したいというように思っております。
○高井委員 本当にこれは極めて問題だと思いますので、徹底していただきたいと思います。
それでは、きょう、ちょっと資料をお配りしております。これは公表された資料に基づいて、もう氏名も公表されているんですが、さすがにこの場で氏名まで載せるということはちょっと配慮して、氏名は除きましたけれども、いずれも公表資料です。
先日のムダ遣い解消PTの中で財務省と金融庁に対して質問をしたんですが、これもいまだに回答が返ってきていないので、きょうお聞きしたいと思います。
まず、一枚目の金融庁に関する部分ですが、ちょっと細かい字で申しわけないんですけれども、金融庁の検査局の総務課の統括検査官の方が、横浜銀行、東邦銀行と銀行に再就職している。それから、証券取引等監視委員会事務局の証券検査官の方がマネースクウェアホールディング、それから、監視委員会事務局の統括検査官はSBI証券。これは明らかに利害関係企業等に該当すると思われるわけですが、ここで見ていただくとおり、非常に極めて短い離職日です。
この八十番について言えば、三月三十一日に退職して四月二十四日ですから、わずか二十四日間で利害関係等企業に再就職しているわけですが、こういうケース、本当に二十四日間で再就職したのかということを当然金融庁は確認しておくべきだと思いますが、この件について、どういう経緯なんですか、すぐに資料を出してくださいと言ってもいまだに回答がありませんが、大臣、お答えください。
○麻生国務大臣 まず、御存じかと思いますが、この人たちはまず役人になる前に全部銀行員ですから、そこだけちょっと混線せぬでください。何か、聞かれていると、いかにも三十年奉職した人が天下ったように聞こえますけれども、金融庁に勤める前に銀行に二十年とか長いこといる人ばかりが途中採用で金融庁に来て、数年いてかわったという話ですから、そこのところをちょっときちんとされないと、きょうはテレビがありませんから、別に、ここにいる方だけが理解されるだけのものでしょうけれども、その点だけはぜひきちんとしておいていただければと思っております。
いずれにいたしましても、退職した職員から国家公務員法に基づく届け出というものが提出された際には、離職日から再就職までの日が比較的短いなどの場合において、人事担当者を通じて、必要に応じた確認をさせていただいておるのが実態であります。
しかし、いつ、どのような形で就職活動を行ったのか。これはちょっと個別の再就職の件なので、この今の四人に関して言わせていただければ、もとの銀行、金融関係からのあっせんというか、友人等々からの口ききが多かったと理解しております。
○高井委員 今お答えいただいたようなことも、今初めてここでお聞きするわけです。
先ほども言いましたけれども、先週の火曜日にこのヒアリングで聞いて、その回答の期限も区切って、木曜日までには出してください、予算委員会で質問する可能性がありますからと言っていても、何の返答もなくて、今になってそういうお話を、だからいいんだというわけにいかないと思います。
こういったことをやはり我々にきちんと説明していただかないと、少なくとも、利害関係企業に該当するのかどうかぐらいを説明できないというのは、全く、我々がこういった調査をする妨げになりますから、何か内部事情を教えてくれとかいうことじゃなくて、客観的、外形的に明らかな問題でありますから、これはぜひ、全府省庁におかれて至急に作業していただいて、速やかに回答いただきたいと思います。
ちょっと時間も過ぎましたから、先に飛ばさせていただきたいと思います。
では、もう一つ。この財務省の資料を引き続き見ていただきますと、ここに、離職日、七月一日にやめて九月一日に再就職という例が、三ページ目以降からずっと、若干飛ぶときがありますが、七ページにわたって約八十件、ほとんど同じような例があります。こういった例も何か不自然じゃないか、どうなっているんだというヒアリングで質問をしたけれども、これについても答えがいまだありませんので、これも、大臣、お答えください。
○麻生国務大臣 今御指摘のありました話は、これは組織的なあっせんではないのかというお話なんだと思いますけれども、これを私ども財務省として組織的な再就職であっせんをしている事実はございません。
再就職日は再就職者と民間企業との間の個別の事情によって決まるものですから、これは財務省でも必ずしも個別の事情を、一つ一つ個別に把握しているわけではございません。
○高井委員 こういった例について、我々としては、一万件以上この再就職のリストがありますので、今一つ一つチェックをさせていただこうと思っておりますので、これについては、それぞれどういう経緯であるのかということを真摯に、誠実に御回答いただきたいというふうに思います。
それともう一つ、この天下り規制に大きな抜け穴があると考えています。
それは、最終職歴が大臣官房付、あるいは、ここにもありますが主計局局長付、こういう形で、どうも聞くと、一日だけ大臣官房付になって再就職していると。これではほとんど意味がない。その前にどこの職にいたかということが重要であるわけでありますが、これについて、では、こういった官房付というのは何件あるんでしょうか。
○山本(幸)国務大臣 平成二十一年度から現在までの間、これもさっきと同じ、平成二十八年度第二・四半期までに把握している件数でございますが、離職後の再就職情報の届け出がなされたもののうち、離職時の官職が大臣官房付であったものは千二百七十八件でございます。
○高井委員 千二百七十八件が要するにこの資料だけ見ても何の意味もなさない。そもそも公表する意味がないんじゃないか。
しかも、いろいろ聞いてみると、文部科学省だけは前職が、どこにいたかというのを出してもらって、もう出てきているんですけれども、やはり利害関係企業等に該当したと考えられるケースもありますし、あるいは、最近多いのは、独立行政法人などに現役出向して、そして、その現役出向者が一旦戻ってきて一日だけ大臣官房付に配属されて、そしてまた同じ独立行政法人に再就職する。これはもう天下りじゃないですか。現役出向していたという理由で、それを隠すために、隠すためかわかりませんけれども、結果として国民はわからないわけです。
これは公表の意味をなしていないと思いますが、これはすぐにでも大臣からの指示で、こういう大臣官房付のようなものは、書いてもいいけれども、括弧して前職を書くというのが当たり前だと思いますが、大臣、そうする考えはありませんか。
○山本(幸)国務大臣 今、全府省庁、調査をやっておりますので、その調査をしっかり、結果を出して、それを見て、御指摘の点も含めて検討したいと思います。
○高井委員 大臣は、あらゆる答弁が全府省調査を待ってということなんですが、こんなことは本当に調査を待たずとも、我々のレベルでやった調査でももう明らかになっていることでありますから、せめてそういったものぐらいは御答弁いただいてもいいんじゃないかと思います。
また、この全府省調査でありますけれども、この委員会でも何度か話題になりました、後藤委員からも、先ほど玉木委員からも、在職中にやりとりをしていたメールとか、これをやはり保存しておかないといけない、それが消去されてしまったら元も子もないじゃないかという話であります。
ただ、メールというのは、今、サーバーに全部残っています。今回、再就職等監視委員会もそういう手法も使ってこの実態を解明したと聞いています。そういう意味では、メールサーバーまでチェックをする、開示を求める、そういうところまで当然この全府省調査というのはやると思っていますが、大臣、そのくらいは御答弁いただけませんか。
○山本(幸)国務大臣 具体的な調査方法につきましては、調査対象者に不適切な対策をさせないために、お答えは差し控えたいと思いますけれども、御指摘の点にも留意しつつ、徹底した調査をやってまいりたいと思います。
○高井委員 これは、ここまでやるとかなり実効性がある調査になると思いますので、留意しながらという御発言、慎重な物言いではありましたけれども、やはりこれをやらないと私は国民は納得しないと思います。調査はそれぞれの担当者からヒアリングだけして全省庁やりましたと、そんなものでお茶を濁しては到底納得できないということは申し上げておきたいと思います。
それでは、続きまして、実は、私どもの民進党でムダ遣い解消プロジェクトチームというのを始めて、目安箱というのをつくりました。ホームページ上からいろいろな無駄についての通報をしていただくというもので、昨年の十一月ごろから始めておりますが、現在、百五十三件、内部通報をいただいております。このうち、天下りに関する件は十二件ございました。この問題が発覚してからばたばたっと来たものでありますが、きょうは、このうちの二件についてちょっと質問をいたします。通報者には、もちろん名前は出しませんが、御了解いただいております。
まず一つ目は、厚生労働省が所管をします日本社会事業大学についてであります。
これは、福祉指導者を育成するために昭和三十三年に設立された私立大学です。昭和四十五年から九代続けて事務局長が天下り、そして専務理事は昭和五十七年から五代続けて天下り、いずれも厚生労働省出身者です。
今の事務局長の一代前の事務局長は、先ほど問題にした離職日の翌日に就任をしています。そして、その離職時点の役職は、社会・援護局の企画課の室長でした。実は、この日本社会事業大学は、社会・援護局の福祉基盤課というところが利害関係に当たる部署だということで、セーフだということなんですが、しかし、法律上そうかもしれませんが、この方は企画課の室長です。そして、その前は社会・援護局の総務課の室長。総務課というのは全部見るわけですね、所掌を。こういった実態がある。
そして、もう一人、専務理事もいて、この方は社会・援護局の総務課長だったという方です。この方は、先ほど話題になった大臣官房付という役職で退職をしています。
こういった例について、今回の内部通報によると、今、この専務理事、事務局長が福祉基盤課としょっちゅう行き来をしてやりとりをしていると。
実は、この件は、かつて長妻厚生労働大臣のときに、それまで覚書があったんです。教職員の人事については、厚労省とこの日本社会事業大学が事前協議するという覚書があって、それが発覚して、長妻大臣のときにこれは破棄をさせた。しかし、破棄をしたのに、いまだにこういった連絡体制があって、これは告発者の証言でありますけれども、しかし複数の人が聞いていると言っていますが、この専務理事や事務局長は、予算の交渉に福祉基盤課へ行ってくる、ちょっととってくるわみたいな、そういう発言をしていると。こういうことは、先ほど問題になっている、退職後の働きかけに該当する可能性もあるわけです。
こういった通報が来ておりますけれども、これを我々が福祉基盤課に聞いたところでまともな答えが返ってくるとは思えませんので、こういった内部通報があるわけですから、これは厚生労働省には直接行っていないかもしれませんが、今、私からお伝えしますので。
これは、塩崎大臣、こういう今の御時世でもあります。非常に国民の皆さんも関心を持っている天下りの一つの事例かもしれないわけでありますから、徹底的に調査をしていただきたいと思いますが、いかがですか。
○塩崎国務大臣 今御指摘をいただいた日本社会事業大学、今経緯についても少しお話がありましたが、これは、終戦直後、昭和二十一年に、実は日本社会事業学校としてスタートいたしました。これは、戦後の社会事業の専門的な人材育成をしよう、こういうことでつくられたものでありまして、それが昭和三十三年に四年制の大学になったということで、今日でもこの社会事業大学は、指導的な社会福祉事業従事者の養成を担ってきた、言ってみれば福祉の専門大学の草分け的な存在でございます。
もちろん、大学は、先ほど覚書の話がございましたけれども、大学の規程に基づいて、今、各分野の関係者から成る評議員の合議によって人事は決められているわけでありまして、前事務局長につきましては、今少しお話がありましたが、平成二十一年当時に離職日の翌日に再就職した個別の事情については、これは我々が関知する問題ではございませんけれども、理事長を初めとした執行部がさっき申し上げたようなプロセスにのっとって採用していると承知をしております。
今お話があった、やめるときに前職はどこだったか。それは、実は、社会・援護局の障害保健福祉部の企画課の自立支援振興室長というのをやっていた方でありまして、この大学の委託費というのがございますが、これを所管するのは社会・援護局の福祉基盤課ということで、部が違うところの企画課におりましたので、今御指摘になったのは少し正確性を欠くかなというふうに思いました。
いずれにしても、大学が規程に基づいて選んでいるわけでありまして、では、何でいろいろ、厚労省に出向いて何かいろいろやっているんじゃないかみたいな御指摘が来ているというお話をいただきましたが、厚労省は、日本社会事業大学に対しまして、指導的な社会福祉事業従事者を養成するための事業を持っておりまして、それを委託費として交付しています。社会事業学校経営委託費という名前で委託費をお願いしておりまして、このために、厚労省の担当課、さっきお話をいただいたところでございますが、そこに、委託事務の実施に必要な経費の積算などに当たって、必要な情報について大学関係者からこの担当課がヒアリングを行っているわけでございます。
それで、国家公務員法との関係はどうなんだ、つまり問題がないのかということでございますが、これにつきましては、国家公務員法の第百六条の四の再就職者による依頼等の規制というのがございますが、行政庁から委託を受けた者が行う当該委託に係るものを遂行するために必要な場合には、再就職した職員OBによる働きかけを禁止する国家公務員法の規定は適用しないということが書いてありますね。この規定に当たるものであって……(発言する者あり)聞いていただけますか。こうしたやりとりをしているのでありますので、この規定どおりでございますから、規制違反には当たらないということであることを御理解賜れればと思います。
○高井委員 私は規制違反だとは言っていません。
それで、例えば、今、企画課の室長とおっしゃいましたけれども、その前は総務課、総務課というのは局の全体の室長ですから、確かに法令違反ではないんですが、しかし、冒頭申し上げたとおり、私は、この法律がそもそももう機能していないんじゃないか。
国民の皆さんからすれば、離職のその日にどこにいたかだけで全て縛られているけれども、そのちょっと前には権限のあるところにいた人が天下って、しかも九代も続けてやっていて、しかも、内部告発のその人たちは、厚労省との口きき疑惑だけじゃなくて、いろいろな点で苦労しているということを訴えてきているわけですから、こういった点は、やはり今回の天下りそのものの問題の本質的な部分だと私は思いますので、ぜひこれは大臣のリーダーシップで、福祉基盤課が幾ら調べてもそんなのは出てきませんから、きっちり調査していただきたい。
○菅原委員長代理 答弁はいいですか。
○高井委員 いや、もう結構です。
それで、実はもう一つあるんです。今度は経済産業省にお聞きいたします。
これは日本機械輸出組合といいまして、平成二十七年にできた団体で、経済産業省の認可。毎年一千万から一千五百万の調査事業が発注されています。ここにも経産省から専務理事が平成十九年、今から九年前について、それから今、もう六十五歳ですが、いまだに専務理事をされている。
そして、この団体については、もともと日本貿易振興会が特殊法人から独立行政法人に移行したときに、貿易投資環境整備等事業資金という名目でこの振興会に二十二億円の交付が行っています。この二十二億円がいまだに基金のように積み立てられていて、そこから取り崩しながら、役員の定年を超えた人件費も賄っているんじゃないか、そういう通報でありました。
このことの問題は、この方は、実は経済産業省にもこのことは通報したそうです。文書もいただきました。それから、経済産業省からナシのつぶてであったので、今度は内閣官房行政改革推進本部事務局、ここは今の行政事業レビューなどをやっていますから、そういった面で内部通報を受け付けているんですね。そこの正式なフォーマットにのっとってやっても、何の連絡もない。そして、今度は会計検査院にも、会計検査院にもそういうルートが正式にあるんです、そこにもきちんと文書で書いて、日付や連絡先とかを全部書いて送っているのに何の連絡もないということで、今回、民進党のこの目安箱に回ってきたということなんです。
やはり、国民の皆さんからのそういった切実な通報については、しかも、そういう部署を設けているわけですから、これはきちんと対応すべきであると思いますが、まずは、一番最初に通報があったという経済産業省、この法人の所管大臣でもありますが、世耕大臣、いかがですか。
○世耕国務大臣 お答えいたします。
民進党にどういう通報が来ているか、これは我々はわかりませんが、今議員が御指摘の日本機械輸出組合の内部職員の方から経済産業省に通報があったということは承知をしています。それが民進党に行っているものと一緒かどうかはわかりません。
ただ、我々に来た通報内容は、法令違反ですとか組織運営上著しく不当な疑いがあるような内容だという判断はしておりません。どちらかというと、組合の内部の規律の問題だというふうに認識をしています。
また、特に、これは複数のこの組合のプロパー職員の行為がこの文書の中で指摘をされておりまして、いわゆる経産省からOBが行っている、これは確かに事実でありますが、そのOBが在籍をしているということとこの通報の内容には直接関係がないというふうに判断して、我々は対応をさせていただいております。
なお、経済産業省は、通報者に対して決してナシのつぶてというわけではなくて、経産省は、日本機械輸出組合に対して、雇用の上限年齢や、役員、賃金水準等に関して関与する立場ではない、この問題についてどうも問題を指摘されていた文書だったようですから、そういったことには関与する立場ではないということを、組合の内部の問題であると考えている旨を通報者には説明させていただいているところでございます。
○高井委員 私は通報者からは、連絡を聞いたというふうには、何か電話が一本ぐらいあったのかもしれませんけれども、経済産業省に出したという資料は全部いただきました。それはですから共有をしています、同じ問題意識です。私の感覚からすれば、せめてきちんと会って話を聞くくらいはされて、その上でどう対応するかは判断だと思いますけれども、やはりそのくらいするべきであったと。
今回の件も、この通報があったときは、最初は、いや、そんな通報はありましたっけというような感じでした、経済産業省の中も。もちろん、質問通告したから、過去のいろいろな資料を引っ張り出してきて調べたとは思いますけれども、やはりこういった体制、特に、山本大臣、これは公務員制度全般の問題にもかかわってくる、また行政改革推進本部ではそういった受け付け体制もあるわけですから、これは政府全体として、きちんとこういったものについては真摯に向き合う、対応するということをぜひ約束していただきたいと思いますが、いかがですか。
○山本(幸)国務大臣 私も行革推進本部を担当しておりますので。ただ、この件について具体的にはまだ承知しておりませんので、しっかり調べていきたいと思いますが、基本的に、そうしたことがあれば真摯に対応すべきだというふうに思っております。
○高井委員 それでは、公務員制度、そしてこの再就職の問題、やはりここは私は、いろいろな問題点が出ている、今までの質疑の中でも明らかになったと思いますし、もう抜本的見直しをした方がいいと思っています。
具体的に幾つか提案したいと思います。
まずは、今回、先ほども申し上げましたけれども、再就職等監視委員会が摘発をした事例八つのうち、懲戒処分になった人は一人だけなんですね。あとの七つはおとがめなし、それはもう退職後の方だからどうしようもないんですと。懲戒処分というのは退職した方には適用されませんから、やはりここは刑事罰を設けるべきではないか。
これについては、先般、自民党の河野委員からもそういう提案がありました。河野委員からの提案というのは、もともとのあっせん禁止の方についても刑事罰がないと。これは、あっせん禁止については、刑事罰があると捜査当局が強制捜査できる、先ほどの電話の記録の聴取とかそういったこともできるということであります。
今のままの懲戒処分だけということであれば、懲戒権を持っているのは人事当局ですから、人事課長だったり、官房長だったり、事務次官ですから、その方々があっせんというのはやっている例がほとんどなわけですから、言葉は悪いですけれども、泥棒が泥棒に泥棒したのかと聞いているようなものだ、こういうふうに言っている評論家の方もいます。
こういう今の制度は、もう既に私はほころびがあって機能しなくなっていると考えますが、刑事罰をまず導入すべきではないかという点、山本大臣、いかがですか。
○山本(幸)国務大臣 国家公務員に対する懲戒処分は、公務員関係の秩序維持を目的といたしまして職員の義務違反に対して加える制裁措置でありまして、この措置については公務員関係の存在が前提となります。
今回の文部科学省の事案に関しては、前文部科学事務次官を含め、厳正な懲戒処分等が行われるとともに、退職後であっても今回の事例のように再就職先を離職せざるを得なくなったりするなど、社会的制裁も受けていると考えております。
現行再就職規制による厳格な監視のもとで違反行為が行われるようなことがあればこのような厳しい制裁を受けるということを全ての国家公務員に肝に銘じてもらうべく、規制の周知及び遵守の徹底を図ってまいりたいと思います。
刑事罰導入云々につきましては、これは、不正な行為があれば離職後であっても刑事罰はかかるという体制に今のところはなっているところであります。
〔菅原委員長代理退席、葉梨委員長代理着席〕
○高井委員 山本大臣は、ほかのことの質問は全府省調査が終わってから、実態を解明してからと言うんですけれども、この制度の話になると否定をされるわけです。しかし、これは全府省調査をやってみてから考えることじゃないですか。今、役所が書いた答弁を読まれたと思いますけれども、ここだけはそういうふうに答弁をするというのは私はちょっといかがなものかと思います。
では、もう一つ提案します。
そもそも、事前規制から事後規制に変えた、行為規制に変えたことがやはり問題だったんじゃないか、私は、かつての事前規制をもう一回復活すべきだと。
ただし、かつての事前規制は問題がありました。離職後二年間という限定があったことと、それから営利企業だけしか範囲としなかった。これについては、当時の民主党は、二年を五年間に延ばすということと、それから営利企業を非営利法人まで広げるということを提案したわけですが、残念ながら当時は我々の提案は受け付けられませんでしたけれども、改めて、この提案、山本大臣、いかがですか。
○山本(幸)国務大臣 私どもは、十九年の国家公務員法改正において、従前は、二年間という期限を区切ってその期間は禁止でありますが、しかし各役所はあっせん行為を公然とやるということが行われていたわけでありまして、これに対して、そういう各府省がやるあっせん行為は全面禁止するんだということで、まさに行為そのものを全面禁止したわけでありまして、これは大きな改革だったというふうに思っております。
そして同時に、それをチェックするための再就職等監視委員会をつくりましてチェックしているわけでありまして、その監視機能がまさに働いたからこそ、今回の文科省の事案が発覚したというふうに思っております。
これは、そういう意味では機能が発揮されたということでありますが、問題であったことは確かでありまして、それについて、ほかの省でないかどうかの徹底的な調査を今私のもとでやっているところであります。
その意味では、そういうやり方にしたことについて、これは私は方向としては間違っていなかったというふうに考えております。
○高井委員 今申し上げた提案は、かつて公明党も同じ提案をしていたと思いますが、石井大臣のお考えはいかがですか。
○石井国務大臣 私は、公明党を代表する立場にございませんし、また、国家公務員の再就職規制についてお答えする立場ではございません。
○高井委員 もう一つ提案したいと思います。
独立行政法人の公募制度。今回の再就職規制のもう一つの方法は、再就職先をしっかりする、これについては、平成二十一年から独立行政法人の公募制度というのが始まっています。
ところが、どんどん尻すぼみになっています。民主党政権のときには、もう事前に数字を教えてもらったんですけれども、公募した独立行政法人のポストの数は百七十二ありました。民主党政権三年三カ月で百七十二。ところが、第二次安倍政権四年一カ月で公募数は四十六です。百七十二が四十六まで減りました。それから、公募したうち公務員がなった場合と民間人がなった場合。民主党政権のときは、公務員四十七、民間人百十八でした。ところが、第二次安倍政権になってから、公務員二十八、民間人十八で、公務員の方がふえてしまっている。
これは明らかにこの制度が後退したというふうに考えますが、これは、山本大臣、いかがですか。
〔葉梨委員長代理退席、委員長着席〕
○山本(幸)国務大臣 公募は、独立行政法人等の役員について公正で透明な人事を確保する観点から、広く候補者を募った上で有識者による選考委員会等の選考に付し、その中から最も適当と考えられる者を任命権者が任命するために実施する手続でございます。
それで、ただいま委員が紹介されたような実績があるわけでありますが、これは、公募の都度、選考委員会による選考、推薦を経て、任命権者において最適任者を選任した結果の積み重ねでそういう状況になっていると受けとめております。
公募の仕組みが始まって間もない民主党政権時の状況と第二次安倍政権以降の実績とを単純に比較することには、余り意味はないものと考えております。
○高井委員 種々提案をいたしました。
そのほかにも、そのほかというか最も根幹なのは、この再就職の問題は、公務員の人事制度そのものをやはり見直していかないと、今のキャリア、ノンキャリアという制度を含めて、早期退職を促される、肩たたきがあるというところにも大きな問題がありますので、この点も含めて、これを機にしっかり解決していきたい。
また、改めて申し上げますけれども、この天下りの問題の全容解明なくしてこの予算の審議というのは成り立たないということを申し上げまして、私の質問を終わります。
ありがとうございました。
(略)
○麻生国務大臣 私どもは、教育につきましては間違いなく今、この間の御党の方と安倍総理との間の話でも、教育の重要性につきまして、また財源が高い等々につきましては全く論をまちません。
御記憶かどうか知りませんけれども、我々の世代、昭和三十八年の大学卒かな、この世代は東大の授業料は幾らだったか知っている人は。千円ですよ。今幾らか。ちょっとよく計算してみてください。教育費というのは高くなっていますよ、国立大学でも。(伊東(信)委員「月にですか」と呼ぶ)月千円だったんですよ。それが我々の世代。もっとも給料は八千円ですからね、そこは忘れぬでくださいよ。だから、そういった意味でも、それでも今、二十万円の初任給としても、それは随分と違うんじゃないかねというのは、間違いなく教育費というのは高くなってきていることは確かです。
ただ、アメリカと比べたら安いじゃないかと必ず言われるんですけれども、それはまたアメリカは別のルールがありまして、奨学金とかなんとかでばさっと、額がそこは全然違いますし、私立というのがありますし、大体、国立大学がアメリカにはありませんから、州立しかありませんので、そういった意味では、かなりシステムとしては違っていることは確かです。
何らかの形でこの教育費というものをどうするかというのは真剣に考えないかぬ、大事なところだ、私どもはそう思って、ことしは給付型奨学金とか、金利を下げたりいろいろなことをやらせていただいておりますので、その方向ではやろうと思っておりますけれども、やはり借金に頼ってやるというのはいかがなものかというのが基本的な考え方であります。
○伊東(信)委員 そのとおりだというお声が聞こえています。本音を言うとそのとおりなんです、そのとおり。ということで、現状でまずできそうな財源確保について考えたいと思うんですけれども。
では、全ての教育を無償化するというのは財源があればいいんですけれども、まずは、安倍総理との二月一日の議論であったんですけれども、例えば私立学校について授業料にキャップをつけるとか。例えば、大阪ですけれども、私立高校授業料無償化の制度を設けているわけですけれども、利用するに当たり、無償化の範囲を、学校の授業料は年間五十八万円までとしています。維新の教育無償化法案でも、大阪の例を参考にして、授業料の上限を設けまして、それを超える部分については有償とするなどの制度設計になっています。
このことによって学校法人の経営効率化を促すことにもなり、私学助成金の削減にもつながると考えていますけれども、それでは、松野文部科学大臣、いかがでしょうか。
○松野国務大臣 現在、高校段階において、年収約九百十万円未満の世帯の高校生に対して高等学校等就学支援金により授業料を支援しているということであり、大阪市においては、大阪市独自の施策として、国の施策とあわせて、私立高校の実質的な無償化に向けての措置をされていることは承知をしております。
この大阪の取り組みは大変意欲的な取り組みであって、各県の先行事例として私たちもぜひ研究をしてみたいと考えております。
○伊東(信)委員 そうですね。本当に具体的に責任を持って考えるに当たり、やはり授業料のキャップというのはまず当面避けられない問題ではないかなと思うんですね。
全課程の教育を無償化すると四兆二千億円ほどかかるということなんですけれども、資料四を見ていただきますと、次の財源ですけれども、我々が常日ごろ言っていることです。国家公務員人件費五兆円、地方公務員人件費二十兆円、合計二十五兆円、二割で五兆円削減すれば教育無償化がカバーできる。
私たちは、何回も言わせていただきます、身を切る改革を実行して国民の支持を得た上で、規制改革や国の出先機関の整理などで国と自治体の事務も公務員の数も減らして財源とするべきではないか、増税ではなく行政改革による歳出削減を中心に考えるべきだと思っておるわけなんですけれども、維新が国家公務員人件費二割削減法案で示したように、国家公務員の人件費の二割、一兆円を削減して、まず政府の掲げた幼児教育の無償化だけでも実現すべきだと考えます。
公務員の人件費なので、山本大臣、見解をよろしくお願いします。
○山本(幸)国務大臣 国家公務員の総人件費につきましては、国家公務員の総人件費に関する基本方針において、職員構成の高齢化等に伴う構造的な人件費の増加を抑制するとともに、簡素で効率的な行政組織、体制を確立することにより、その抑制を図ることとしております。
具体的には、平成二十六年の一般職給与法の改正に盛り込んだ給与制度の総合的見直しにおいて、初任給を据え置く一方、高齢者層を四%引き下げることにより、俸給表水準を平均二%引き下げるとともに、地域手当を見直すことにより、世代間、地域間の給与配分を見直すなどの取り組みを行っております。また、定員については、CIQの体制や海上保安体制の強化など、急増する内閣の重要課題に的確に対応できる体制の整備を図りつつ、切り込むべきところには切り込むといっためり張りある審査を行うことで、全体としての増員を抑制しております。
今後も、厳しい財政事情を踏まえて、引き続き、この基本方針に沿って総人件費の抑制に努めてまいりたいと思っております。
○伊東(信)委員 切り込むべきところをぜひとも、山本大臣、リーダーシップを持ってどんどこどんどこ切り込んでいただければと。どうしても、外科医なのでちょっと切るのがあれなんですけれども。
さて、文部科学省で組織的な天下りが発覚したところでございまして、もう一つの財源確保の方法として、天下り法人の交付金、補助金の削減、これもやはり議論として出てくるのではないでしょうか。
公務員人件費以外でも、天下り法人の支出を徹底的に見直すに当たり、来年度予算案の国立大学運営費交付金一兆円、私学助成金は四千億円、その一部が違法で不当な天下りの給与に仮になっているとしましたら、我が党の片山代表が参議院の代表質問で発言したとおり、ゆゆしき問題であります。
さて、教育無償化の完全実施を進めると同時に、教育に係る経費のうち、教職員の人件費や施設の整備費のような経常費を徹底的に見直すべきだ。国立大学運営費交付金と私学助成金の合計で一兆四千億円、その七%でも一千億円程度になります。つまり、文部科学の予算のうち学校法人に投じられている交付金を数%削減して直接子供や保育者などの家計に入る形もいいのではないかと思うんですけれども、文部科学大臣の見解をお伺いします。
○松野国務大臣 まず、今回の文部科学省の再就職規制違反におきまして、文部科学省の違反行為また一連の隠蔽行為を通じて国民の皆様の文科行政に対する信頼を著しく失ったことに関して猛省をしておりますし、信頼回復に努めてまいりたいと考えております。
委員から御指摘があったいわゆる天下りの問題と助成金、補助金とのかかわりでありますが、私立大学等経常費補助金を初めとする補助金の配分につきましては、学生数、教員数等の客観的な指標に基づいて算定をされるもの、また外部有識者によって競争的に審査されるものでありまして、文部科学省の職員が再就職することで配分額が変わるものではないと承知をしておりますが、この点に関しては、引き続き、国民の皆様の疑念が晴れるように解明に努めてまいりたいと思います。
あわせて、委員から御指摘がありました学校法人に対する助成を減らしてということでございますが、教育、特に私立学校にかかわる教育を考えますと、建学の精神に基づいたその学校法人独自の教育を進めていただくに当たって、一つにはやはり学校本体の基盤的なものに対する助成と、もう一つは委員御指摘の個々の生徒、家庭における教育費の負担軽減の問題、これら二つの側面から進めることが肝要ではないかと考えております。
特に、法人に対する私学助成、基盤的経費の面に関しては、今、私立学校の経費が増大している中、私学助成の比率が一割を切っているような状況でありますので、文部科学省としては、その両面の充実を今後とも財源の確保を図りつつ進めてまいりたいと考えております。