平成29年2月03日 衆議院予算委員会
○宮崎(岳)委員 前回改正のことについて今ちゃんと御答弁をいただいていないと思うんですけれども、前回改正で、普通でいえば、さっき表で出しましたけれども、二年間の規制があるんだから、その二年間を広げたり、期間を延ばしたり、そういうふうに規制するのが常道だと思うんですね。別にイデオロギーとかなんとかということじゃなくて、普通に考えれば、そもそもある規制をそのまま拡大して厳しくするというふうになる。なぜそれにならなかったかといえば、それはやはり、私は一つは安倍総理の思いがあったんじゃないかというふうに思う。当時、そのように報道もされていました。
一つ、パネルはありませんので、資料の中にあると思うんですが、整理されている新聞なのでこれを載せました。朝日新聞の朝刊ですが、でも、同様の記述は当時いろいろ行われています。つまり、官と民が互いの知識経験を生かせるよう官民の人事交流をさらに推し進める、これが当時の安倍総理の思いだったんですね。
施政方針演説を見てみても、平成十九年の施政方針演説では、公務員制度改革については、新たな人事評価を導入して能力本位の任用を行うとともに、官と民が互いの知識経験を生かせるよう、官民の人事交流をさらに推し進めます、予算や権限を背景とした押しつけ的なあっせんによる再就職を根絶するため、厳格な行為規制を導入します、こういう言い方をしているんです。
つまり、まず人事交流、次が天下り規制、こういう順番なんですね。本来はこれは別々のものだと思うんですけれども、それが合体をして検討が始まったのが、当時の平成十九年の公務員制度改革だったというふうに思うんです。
渡辺喜美さんが非常に熱意を持って大臣としてやられた、それに対して、参院幹事長であった片山虎之助さんですかね、猛反対をして抗争を繰り広げられて、とうとう政府が協議をしようとしても党側がボイコットして会議に出ないというような大騒ぎまで当時あったことはよく覚えられているでしょう。まあ、渡辺さんと片山さんが今同じ党にいるというのもなかなか不思議なえにしでありますけれども、そういった歴史がある。
しかし、ここで言いたいのは、事前規制が事後規制になった、これが、私は、今回の天下りが防げなかった、発生してしまった本当の根本的な原因だと思うんですけれども、それはやはり、官民交流というものと天下り規制という違うものを一緒にくっつけて実現しようとしたという、総理の根本の思いがあったんじゃないか。
だから、私は、今、官民人材交流センターも事実上機能しないようになっていますけれども、総理に、その当時のこととして、当時はわからなかったけれども今としてはやはりちょっと甘かったかなとか、方向性が違ったのかな、そういう心なしかの反省はないのかなと思ってお伺いしているんです。いかがでしょうか。
○安倍内閣総理大臣 我々は、外形の基準から行為規制に切りかえたわけでございますが、これは、外形的にこうだと決めることではなくて、やはり、癒着がある、いわば、天下りにいたしましても、省庁の権限を背景とした押しつけ的な天下りはいけない、そして、元OBということをもって癒着の状況をつくっていく、そういう形になってはならない、このように思ったわけでありまして、それは同時に、外形を基準とすることから行為に変えた以上、しっかりとそれを監視する監視委員会をつくったわけでございます。
そこで、同時に、委員が挙げられたように、官民が交流する、民と官の人材がどんどん交流していくという状況については、残念ながらまだそうなってはおりませんが、しかし、前よりは大分、若い段階から民間に出ていくということは起こり始めています。そこからまたこちらにも入ってくるということは、まだ非常にポストは少ないんですが、各省庁にそういうポストも全くないわけではないわけでございます。
ですから、そういう形で動き始めていますが、まだダイナミックに官民の交流がどんどん進んでいくという状況にはないのは事実だろう、こう思うわけでありまして、これが車の両輪のように進んでいけばいいというのが一番最初の、当初の私の考え方ではあったのは事実であって、それがそのとおりにはなっていないだろうと言われれば、確かにそういう一面があることも事実ではございます。
しかし、今の問題というのは、監視委員会があってしっかりと摘発は行った、同時に、今までもさらにその他にも例があるのかどうか、あるいはまたOBに情報を提供していたということがあって、それは今までも法制度をすり抜ける形で行われていたという問題もある、我々はこれからそれを行わないようにしていきますということを申し上げたところでありますが、そういう意味におきましても、しっかりと山本大臣のもとにおいて調査を徹底して、そして二度とこうしたことが起こらないような対策を考えていきたい、こう思っているところでございます。
〔菅原委員長代理退席、委員長着席〕
○宮崎(岳)委員 私は官民交流のことについて言っているんじゃなくて、今回の天下りが見逃されてきた、あるいは発生したその背景には、この当時の平成十九年改正の方向性の誤りあるいは手ぬるさがあったのではないかというふうに言っている。
総理は、再就職監視委員会がきちんと機能したから摘発できたんじゃないかというような言い方もされますけれども、例えば治安が悪化したときに、市民から治安が悪化しているじゃないかと警察署長が言われて、うちの警官が捕まえているんだからいいじゃないか、こういう言い方をする人はいないわけですよ。やはり発生すること自体を抑えなきゃならないわけです。
特に、今回のは非常に根本的な天下りコネクションですよね。本当に個人的な、散発的なものじゃないんですよ。天下りコネクション、これが温存され、しかも、今回は摘発できたけれども、現職が絡まない形でOBだけでこのコネクションをつくったら全部合法ですよ、こういうことなんだから、やはり事前規制を強化するなり、あるいはさらに監視するなり厳格化するなり、根本的な再発防止策をとらなきゃだめじゃないか。監視委員会が機能しているからいいじゃないかでおさまる話じゃないでしょう。
どうやってこれをなくすんですか、総理。総理、どうやってなくすんですか。
○山本(幸)国務大臣 御指摘のように、今回の文科省のような事案は言語道断でありまして、根絶しなければいけません。
しかも、もともとの十九年の国家公務員法改正の真意は、まさに各府省によるあっせんを全面禁止だ、一切やってはならない、そこに意味があるわけでありまして、期間を、前は二年というのがありましたけれども、しかし、各役所は、あっせん行為をやるということが行われたわけですね。これを五年に延ばしたからといって、それがもし残っていれば、私はやはり役所のやるあっせんというのは続くと思いますので、これを全面禁止した、そういう法律の本旨は間違っていないというふうに思います。
ただ、それが逸脱されたということは大変遺憾なことでありまして、これは根絶しなければいけません。そのために、全力を挙げて全府省について調査を行い、その上で、どういう対策をとれば実効の上がる対策がとれるかを検討していきたいと思います。
○宮崎(岳)委員 前回改正で根絶できなかった。総理は当時の答弁で、押しつけ的な天下りを根絶する、あるいは天下り問題を根絶するという言い方をしていて、これを導入すればそれができるんだと言った。しかし、根絶は結果としてできていないことが今回わかった。だからこれからどうするんですかということを、当時の責任者であった総理に、当時の思いも含めて、これからどうするんですかということを意気込みを含めてお答えいただきたいんです。
○安倍内閣総理大臣 まさに第一次政権のときも、この天下り問題というのは大変なことでありました。いわば、我々は役所の機能を生かしながら行政を前に進めていくわけでありますが、そこで、これは大変な摩擦が起こるような出来事であったのも事実で、大議論でございました。
そこで、その中で、いかに役所の皆さんの能力も生かしていただきながらこうした癒着体質を変えていく、そして権限を背景とした押しつけ的な天下りをなくしていくということの中で我々はそのとき考え得る最善のものを考えた、こう思っておりますし、その中で監視委員会が機能したのは事実であります。これが機能していないときには摘発はできなかった。しかし、機能したことによって、摘発したことによってこれは大きな抑止力になっていきますし、こういうものを、今回の摘発事項を参考に、さらに委員会の皆さんが摘発を進めていく上においてパワーをアップしていただくことも期待したい、こう思います。
今後についてどうするんだということでございますが、イタチごっこにはならないような、しっかりとした対応をしていかなければいけないわけでありますから、我々は今回、山本大臣のもとにおいて強い意欲を持って、こうしたものを根絶していくという決意を持ってまずはしっかり徹底的に再調査をし、大分さかのぼって再調査をするわけでございますが、再調査をしながら、この再調査の結果を見て今後の対応を考えていきたい、こう思っております。
(略)
○神山(洋)委員 今まさに大臣からもお話がありましたように、国民の疑念があるわけです。それを晴らさなければいけないわけです。
そのために、粗相はありましたが、まずはそれをきちっと調べて調査をする、これは当然のことだと思います。これは、役所であろうが、会社であろうが、どんな団体であっても同じだと思うわけですが、何かそういうことがあった場合には、やはり事実を事実としてきちんと明らかにし、広く公表する。それはやはりスピーディーであるべきであり、時間がかかる場合には、一定の年限、一定の時限をもって、ここで公表しますというその見通しを提示する。これは当たり前のことではないかなというふうにも思うわけです。
午前中の委員会で、松野大臣からも、初めてだと思いますが、二月六日に第一弾で御報告が、中間報告ですか、されるという話がありまして、ようやくここまで来たかという思いです。それまでは、お時間をいただきましてみたいな、そういう話ばかりでした。
同時に、これは文科省マターではなくて、内閣府の方で全府省に対しての調査が行われているということであります。ここ数日の議事録を改めて確認しても、スケジュールありきではなくて、いつまでにやるのかという話に対しては、中間報告をするということは想定をしておりません、そういう言葉が何度も何度も続けて来るわけです。
文科省は、おくればせながらではありますが、中間報告を月曜日に出されるということ、これは前向きな私はワンステップだと思います。一方で、この全府省に対しての調査、いつまでにやるのかもわからない、中間報告もするつもりはない。足並みがそろっていないわけですよ。
膨大な量があるからいつまでかかるかわかりません、それはそうかもしれない。百歩譲って、そうであったとしても、ではいつまでにやるんだ、そこまでにできる限りの情報はきちんと公開をするんだ、これはやはりやらなきゃいけない話じゃないですか。なぜかといえば、それは国民の疑念を明らかにする、そのためですよ。
これは修正した方がいいと思うんですが、大臣、いかがですか。
○山本(幸)国務大臣 文科省の場合は、もう事件としてはっきりしているわけであります。一方で、全府省に対する調査は、まさに何があるかわからないという部分の調査でありまして、しかも、これは、厳正で、徹底してやらなきゃいけないと思っております。
その意味で、調査の中身をしっかりと充実させることが一番肝要であると思っておりまして、まずスケジュールありきということではない。しっかりやっていきたいと思います。
○神山(洋)委員 スケジュールありきなんですよ、こういうのは。一週間でやります、物によっては一日でやります、どれだけ頑張れるかわからないけれども、早く明らかにするというのは当たり前じゃないですか。信頼を回復させなきゃいけないわけですよ。一カ月かけてやります、二カ月かけてやります、それは、最終的な結果を全部というのはそうかもしれませんが、そこまでに、まずはでは一週間でできるだけのことを調べてオープンにする、こういう真摯な態度であるべきじゃないでしょうかということを申し上げているわけです。
だから、どういう調査をするかということも公表できませんとか、事ここに至ってまだ何か隠そうとしているんじゃないかという、百歩譲っても、こういう疑念をやはり抱かせるようなことをするべきではないですよということを申し上げているわけです。
これは総理に一点伺いたいんです。
今、文科省が来週にというお話もありました。でも、これは内閣府の方ではまだしばらくかかりますと。ちょっとばらばら感があります。もう一回ここは総理の方でリーダーシップを発揮していただいて、ぴしっぴしっと、やはりできるだけ情報は国民の信頼を回復するために早く明らかにせよと指示を出していただくべきじゃないですか。
○安倍内閣総理大臣 今回の文部科学省における再就職規制違反事案は、国民の信頼を揺るがすものであり、あってはならないことである、こう考えています。
今般の事案で生じた国民の疑念を払拭するため、私から山本国家公務員制度担当大臣に対し、同様の事案がないかどうか、全省庁について徹底的な調査を行うように指示をしたところでございます。全省庁でありますから、これは大きな調査になるということは御了解いただきたいと思います。
大事なのは、国民の疑念を払拭するため、しっかりとした調査を徹底的に厳正に行うことであり、最初からスケジュールありきではないと考えているわけでありまして、一方で、調査結果が出次第、これはもう速やかに結果を明らかにしていくことも重要でありますので、山本大臣の指揮のもと、スピード感を持って進めていくように指示をしているところでございます。
○神山(洋)委員 スピード感を持つというのは当たり前であって、だからこそ、全部が終わるまでは一カ月かかるかもしれない、二カ月かかるかもしれない、でも、スピード感は大事だから、ではとりあえず一週間、二週間でできるところは、きっちり出せるところは出しましょうというのが、これは役所であるとか会社であるとか関係なしに、一般的なある種のクライシスマネジメントじゃないですか。
そんなに難しい話じゃないと思いますよ。洗いざらい、全てを一週間でやれなんて、そんな無理難題を言っているつもりはないですよ。出せるところを、国民の信頼を回復するためには早い方がいいに決まっているじゃないですか。出せる部分はあるだろう、出せる部分だけでも出せと総理から一言おっしゃっていただければ、全部は無理かもしれないけれども、ではここだけは出せるようにしますといって現場はできるんじゃないですか。
総理、もう一度御答弁をお願いします。
○山本(幸)国務大臣 まさに国民の信頼を回復するためには徹底した調査をやらなければいけないわけでありまして、その中身を充実することが大事でありまして、スケジュールありきであるとは考えておりません。
○神山(洋)委員 こんなことで水かけ論をやってもしようがないんですけれども、中身を充実させることと同時に、早く国民の信頼を回復させることもあわせて、同じぐらい大事であると私は思いますよ。本来はこの場で明言をすべきだと思いますが、できないようであれば、それはぜひ今後は改めていただきたいと思います。
資料をきょうお配りしております。一と二とあります。これはセットです。
総理は、今のお話も含めて、どこまでそれを実行されようとしているのか、いまだにわかりませんが、しかし、言葉の上では、必要なことは何でもやるというふうに何度も繰り返していただいておりますし、それはそうであると私も信じたいというふうに思っております。
その意味で、これは、必要なことは何でもやるという大きな話レベル以前の問題で、すぐできることがありますよという話をさせていただきたいと思います。
三日前ですが、我が党の方の部門会議で、各府省に対して、どういう調査をしているのかということを聞きました。
どういう調査というのは何かというと、一枚めくっていただいて、資料二をごらんください。この資料二は、再就職をしようとした人、役所OBとなった方が、再就職をすることになりましたといって各所属省庁に提出をするときのフォーマットです、何も書いてありませんが。なので、今回問題になった文科省の件であれば、問題になった方は、この書類に自分の名前なり必要事項が記載をされ、文科省の人事課を経由して、内閣府の人事局の方にこのペーパーが回っている、そういう事務帳票のうちの一つです。
非常に私は疑問だったし、だからこそ、この部門会議で確認をさせていただいたわけですが、今回、最終的に監視委員会の調査、確認で事が明らかになったわけですが、そもそも、高等教育局長をやっていらっしゃったような方がこういうところに行くというのは危ないんじゃないのというのは、そんなところでチェックするまでに、文科省の中で、こうやって見た人が、ううんと普通は思えるはずなわけですよ。
内部でチェックできているのかなというところで、全府省に対して、この書類が出てきたときに、怪しいもののフィルタリングも含めて、どういう確認をしているんですかということをある意味では機械的に聞いた上で結果をまとめたものです。ちなみに、マル、バツ、三角は、これはわかりやすいように私の方で便宜的につけたものですので、我が党として公式に何か認定したとかそういう話ではありません。全部ここで読みませんが、一個一個拾っていただくと、結構各省ばらばらです。
試しにここで、厚生労働省のところ、文字数が多いので読めませんが、なかなかこれはよくやっているんじゃないのという話にもなります。
塩崎大臣、ちなみに、厚生労働省はこの紙が出てきたときにどういう対応をされているか、御答弁いただいてよろしいですか。通告させていただいていますが。
○塩崎国務大臣 職員の再就職につきまして、国家公務員法に基づく届け出の書類の種類に応じて、適正かどうか確認を厚労省でしておるということでございまして、具体的には、在職中に再就職の約束をした際に提出する届け出につきましては、全ての届け出を対象に、所属部署の人事担当者に対して、利害関係の有無を確認する、そして、離職後の届け出につきましては、離職日から再就職日までの期間が一カ月以内の者を対象に、本人に対して、在職中に再就職の約束をしていなかったかの確認をしておるということでございます。
○神山(洋)委員 だから、厚労省は、そういう意味でいうと、まあまあそれなりに内部チェック、自己チェックをやっているということがこれだけだったら言えるのかなという気もします。
一方で、これは全部挙げませんが、例えば法務省がたまたま目に入ったんですが、これまで、これは不審だということで詳細について書面提出してくださいとお願いしたことはありません、ヒアリングも特に行っていませんということを伺っています。
要は、何もしていません、紙が来たらそのままスルーでやっていますということだと思いますが、大臣、こういう理解でよろしいですか、現状は。
○金田国務大臣 法務省におきましては、これまで、職員に対しまして、再就職規制の周知及び徹底に努めておりますし、それとともに、管理職職員であった者から再就職に係る届け出が、ただいま御指摘のものですね、提出された場合には、その記載内容についての確認も行ってはきておりますが、それらを超えて当該再就職者からのヒアリングなどの独自の調査は行っていないものと承知をしております。
○神山(洋)委員 大臣にそうやってお認めいただいたように、やっていないということでしょうし、ほかの省庁も、この場でうそをつくとは思えませんので、やっているところはやっているでしょうし、そうじゃないところはそうじゃないんだと思うんです。
ここで申し上げたいのは、つまりは、一国のトップにこんな事務の流れをどうこう言うつもりは私はそもそもないんですが、やれることを何でもやるというときに、能動的なチェックを内部でやるなんて、こんなものは言わなくても当たり前の話だと思うんです。法律でそう定められているからやるとかいう以前の問題だと思いますが、事実としてやられていないのであれば、今、総理が各大臣に、こんな当たり前のことを今までやっていないのではだめだから、今すぐやれと一言おっしゃっていただければ、少なくともそれをおっしゃらないよりはいいと思うんですが、総理、それを一言おっしゃっていただけませんか。
○浜田委員長 その前に、総務省から手が挙がっていますけれども。総務大臣。(神山(洋)委員「いやいや、お願いしていません」と呼ぶ)これがあるから。とりあえず一言。
○高市国務大臣 しかし、公的に配付される資料ですから、誤りだけ正させてください。
もしかしたら部門会議で説明した職員の言い方が悪かったのかもしれませんが、総務省では、離職後に営利企業等に就職をするということで届け出があった場合には、本人の職務内容と再就職先の業務に利害関係がないか、秘書課を通じて本人に事実確認をしっかり行っております。これは、改正国家公務員法が施行された平成二十年十二月三十一日以降、全て行っているということです。
また、離職後二年間に営利企業等に再就職した元職員から届け出があった際も、再就職日までの期間が一カ月以内と短期間である場合には、秘書課から在職中に再就職の約束をしていなかったか、本人に事実関係を行っております。
説明に行った職員の表現力がなかったのであればおわびいたしますが、資料は間違っております。
○神山(洋)委員 もしそうであれば、それはぜひ続けていただきたいし、それはだから全省庁、そういう形でやっていただければいいと思うんです。一言そう言っていただければ、まずこれは改善しますよ。
○山本(幸)国務大臣 当然そういうことをやらなきゃいけないし、事実上、これまでもやってきております。
人事局としては、各省に対して、そういった届け出があった場合にはきちんとチェックするようにという要請を数次にわたってやっておりまして、これが本当にそうかどうかというのは改めてチェックしたいと思いますが、そういう姿勢でこれまでも臨んできております。
○神山(洋)委員 いやいや、やってきていますというのは、大臣は何をもとにしておっしゃっているんでしょう。
きのうも事務方とも話をさせていただきましたし、このヒアリングをしたときにはまさに担当の方もこの場にいらっしゃってこの話は聞かれていたはずです、各省庁がどういうふうにその場でコメントをしたのか。それをぜひ確認してください。そんなに間違っていないはずですよ。そのおっしゃった方が事実に反することを言っていたら、それは私の知るレベルではありませんが、テープからこれは全部起こしていますから。
だとしたら、やってくださいという要請はしていたのかもしれません。しかし、少なくともそれが各省庁において、紙が出てきたときに怪しいのは、これはどうなの、大丈夫なの、だめだよということを、内部でチェックするなんて当たり前のことすらやっていなかったということであれば、誰がとか、本当はやっていたんだとかなんとかと言う前に、全省庁、ぴしっと、そんな当たり前のことはやってくださいねの一言で済むじゃないですか。
そんな難しい話じゃないですよ。総理、それを一言だけおっしゃってください。すぐできると思いますよ。
○安倍内閣総理大臣 今、高市大臣から答弁させていただいたように、若干ちょっと事実と違うこともあるようでありますが、当然、総理大臣として、しっかりとチェックをするように、山本大臣の指示のもとに各省庁がしっかりと対応するように、もう既に申し上げているわけでありますから、私の指示にはしっかりと従っていただきたい、このように思っております。
○神山(洋)委員 もうこの話を繰り返すつもりはありませんが、これは三日前ですから。三日前の時点で、多少違っていたとしても、そう大ずれはないはずですよ。みんなが二重丸だったらいいなと思いますが、違いますよ。すぐやるようにしてください。
このことをあえて申し上げたのは、このことも含めて、できることはすぐやる、何でもやるとおっしゃっているんだから、どんどんやるべきだと思うんです。
先ほど前段でもお話がありましたが、法改正をするかしないかみたいな話もあると思います。それが、どこに原因があってどうだこうだという、いろいろな分析とかそういう話はもちろん大事ではありますが、大事なことは、今回、事実としてこういう問題が起きたわけですから、それが再発しないためにいかなる手を我々立法府が下せるかということが問われているんじゃないかというふうに思うわけですよ。
だとしたら、我々はやはり、ここまでの検証の中で、十年前、十数年前の経緯も含めて考えたときに、もう一度、いま一度法改正を考えるべきじゃないかということを考えているわけです。
一旦、あの当時取っ払った二年ないし三年というその時限の規制、これをやはりもう一度再検討するべきだろうというのもありますし、刑事罰についても議論がありました。ここは、いずれにしても、再度議論を重ねる中で、法改正も含めて私は検討するべきじゃないかと思っておりますし、我々の中で、恐らくそういう形で国家公務員法改正案を取りまとめていくことになると思います。
総理の中では、今の時点では、先ほど前段、宮崎さんとの議論の中でも多少そういう話があって、検討しなければならないというお話はありました。それは、場合によっては、その調査結果も含めたときに、法改正も含めて考えなければならないとお考えだという理解でよろしいですか。先ほどの総理の御答弁についての認識を伺っています。
○山本(幸)国務大臣 私どもは、十九年改正法で各省によるあっせんを全面禁止した、これは大きな変革であると思っております。事前規制で二年が延びればいいということで各省のあっせんが残っているということは望ましくないというふうに思っておりまして、これを全面禁止したということは大きな改革だと思っております。
そういう意味で、今回不祥事が起きたことは大変遺憾なことでありまして、これを全省庁もう一度再チェックして、そして、その結果を見て、今後何をするかということはその後検討したいと思います。
○安倍内閣総理大臣 我々が第一次安倍政権においてこういう改正をする前には、まさに人事の一環として皆堂々とやっていたんですよ。人事の中に組み込まれていたのは事実でありますし、それを大きく変えたのは事実であります。
残念ながら、まだこうした形が残っていた、それを監視委員会をつくったことによって摘発をされたのも事実でありますが、そうしたこと等も含めましてしっかりと調べて、再発防止のために適切な取り組みをしていきたい、このように考えております。