平成29年2月02日 衆議院予算委員会
○後藤(祐)委員 いろいろな調査が行われていますが、私も経済産業省の秘書課という、関係するところにいたことがあるのでわかるんですが、天下りのあっせんは法律で、やっちゃいけないことになっていますから、実際やっていたとすると、なかったことにするわけですよ。そうすると、役所が何を考えるかというと、やっちゃっていた場合、パソコンの中から削除するとか資料を燃やしちゃうとか、いろいろなことをやっている可能性があるんですよ。
再就職等監視委員会委員長、お伺いしますが、文科省から例えばパソコンを押収するですとか、パソコンの中のものを出せとか、あるいは資料を出せとか、このパソコンと資料に関して、どういった情報を出させるためのお願いをしましたか。押収みたいなことをされましたか。
○大橋参考人 お答えいたします。
委員会が行う調査というのは国家公務員法に規定がございまして、規制違反が疑われる職員あるいは職員のOBに質問すること、証人喚問すること、関係書類の調査、それから勤務していた場所への立入検査などが規定されておりますけれども、それ以外にも、必要に応じて任意のヒアリングや当該省庁への照会などを実施いたしております。
ただ、具体的案件についてどういうことを調査するかということについては、今後の調査に支障を来しかねませんので、詳細についてのお答えは控えさせていただきますけれども、今回の文部科学省事案に関して、詳細は今申したことでございますけれども、概略を申し上げますと、これは、違反の疑いのある職員及び職員OB、それからその関係者への聞き取りを行っております。それから、今の、本人及び関係者の間でやりとりをされたメール、これは多数手に入れて調べております。それから、そのメールに添付された文書というものがございます。具体的には、例えば高等教育局長の教員任用履歴書であるとか、文部科学省が作成した想定問答であるとか、そういったものなどについて確認をいたしております。
以上でございます。
○後藤(祐)委員 メールについて出させた、非常に一端がうかがえたと思いますが、山本行革大臣、今、全省庁調査を始めていますね。全省庁の人事当局のメール、これは出させないと、消しちゃいますよ。このぐらいのことはやっているんでしょうか。
○山本(幸)国務大臣 まさに調査はこれからでございますけれども、そういうことも含めてやりたいと思います。
○後藤(祐)委員 これからということは、メールを出せということをまだ言っていないということですか。もう消しちゃっているんじゃないですか、そうしたら。今までのところで、メールを出せということを言っていないということですか、そうしますと。
○山本(幸)国務大臣 具体的にどういう調査の中身をやるか、事項とかいうことについては、いろいろな不適正な対応を行われる可能性がありますので、その点については答弁は差し控えさせていただきます。
○後藤(祐)委員 こんなので調査できるんですか。なかったことにするというのが基本なんですよ、役所側のディフェンスの。だって、法律で、やっちゃいけないんだから。
メールの削除自体は、これは厳密に言うと証拠隠滅罪ですよ、下手すると。きょうは基本的質疑ですから、全大臣がおられます。大臣、それぞれ人事当局に聞いてみてください、メールを消していないかどうか。メールを消すなよと、ちょっと、きょう終わったら、官房長とかそのあたりに言ってみてくださいよ。これは、消していたら証拠隠滅罪ですからね。
そして、今まで、既にこの議論を始めてからかなり時間がたっているわけですよ、何をやっていたんですか、山本行革大臣。最初にメールを押さえにいかなきゃだめじゃないですか。
具体的な話に行きたいと思います。
さんざん出てきていただきたいと言っております、おやめになった文部科学省の前の前川事務次官。この方はなかなか、きょうも私求めましたが、この委員会の場に出てきていただけません。大変残念です。
このパネルの中の文部科学審議官と書いてあるのは前の次官である前川さんのことでございますが、この前川さんがやったことの中で再就職等監視委員会が認定したことは幾つかあって、早稲田事案というのもそうなんですが、この中の一と書いてある「地位に関する情報提供の依頼」というのがございます。
これはわかりにくいので申し上げますと、ある法人のこのポストがあかないかというような情報についてこの法人に対して依頼したということが認定されているんですが、この一のある法人というのは実は、さんざん議論になっている文教協会なんですよ。文教協会の理事長という、もう解散するということを決めたようですが、この文教協会理事長が雨宮忠さんという長い間ここにおられた方で、この方、そろそろどきませんかというようなことを依頼したというふうに伺っておりますが、これで事実関係に間違いないですか、松野大臣。
○松野国務大臣 前川前次官は、ある法人に再就職していた文部科学省のOBに対し、後任の他の文部科学省OBを再就職させることを目的として、再就職先の地位に関する情報の提供を依頼したことから、再就職等規制に違反したと監視委員会から認定をされております。具体的には、退任の意向の有無を確認したことが再就職規制に違反したと認定をされております。
(略)
○後藤(祐)委員 後藤祐一でございます。
テレビをごらんになっている方、今のは何のことやらわからないと思うんですが、文科省の天下りの情報を一手に仕切っていたこの元人事課職員が、文部科学省の建物の中に入って損害保険の営業をする会社にいたんですが、それは一社独占ではないかということに対して、二社ありましたよという、そんなことについての話なんですが、二社あるといっても、実際にそういった営業をしているところは実はこの会社だけだったというお話も聞いておりますので、大した違いではないと思います。
そこで、一つ残っている大きな話がありまして、先ほど、テレビをごらんの方はこれで切れちゃったと思いますが、この雨宮忠前公益財団法人文教協会理事長の華麗なる遍歴のお話をしました。
この中で、独立行政法人日本スポーツ振興センターの理事長、当時の年収、約一千九百万ぐらいもらっているというお話がありましたが、こういった独立行政法人の役員なり職員も含めて、ここに対して役所の方が再就職をする、このあっせんというのは、国家公務員法上、法律違反だと理解していいでしょうか、山本大臣。
○山本(幸)国務大臣 独立行政法人等の役員人事については、平成二十一年九月二十日の閣議決定「独立行政法人等の役員人事に関する当面の対応方針について」に基づきまして、まず、現在、公務員OBが役員に就任しているポストについて後任者を任命しようとする場合、二に、新たに公務員OBを役員に任命しようとする場合には、公募により後任者の選考を行うこととしております。
公募は、独立行政法人等の役員について公正で透明な人事を確保する観点から、広く候補者を募った上で、有識者による選考委員会の選考に対して、その中から最も適当と考えられる者を任命権者が任命するために実施する手続であります。
したがって、そのような公募と選考の手続がとられる場合、選任された者が結果として公務員OBであったとしても、その者が有する能力、識見が当該法人の経営に資するとして公募と選考の手続を通じて適切に評価された結果である以上、いわゆる公務員OBの優遇に当たるものでなく、問題ないものと考えております。
なお、独立行政法人の常勤役員についている退職公務員の状況を見ると、過去に比べては減少している傾向にあると存じております。
○後藤(祐)委員 公務員の方が独立行政法人の役職員に行く場合、トップ、理事長なりに行く場合は、これは大臣が人事権を持っていますから、この場合はちょっと別らしいんですが、それ以外の方に対してあっせんをすると、これは同じように違反になるんですね。
それで、これは法律違反になるとまずいですから、民主党政権では、平成二十一年九月二十九日に閣議決定をして、公務員OBが独立行政法人の役職員につく場合は、これは理事長も含めてですが、公募により後任者の選考を行うと明確に決めました。例外なくなんですね。民間の方がつく場合は必ずしもそうじゃないんですが、公務員OBの方がつく場合は必ず公募で行うというルールを決めました。
ところが、安倍政権になって、平成二十六年十二月十七日、これについてはルールが変わって、必要に応じ、公募の活用に努めるとなっちゃったんですね。
山本大臣、公募でない形でやって、現職の公務員が独法の役職員、理事長以外ですね、についた場合、これは国家公務員法違反でしょう。必ず公募しなきゃいけないということになりませんか。
○山本(幸)国務大臣 これは、おっしゃるとおり、二十一年九月ですか、閣議決定で、公務員OBがなる場合には公募にしなきゃいけないということであります。それは、この二十六年のときも当然引き継いでいるわけであります。つまり、役人あるいは役人OBが独法の役員に就任する場合には公募によるという原則はそのまま維持しているわけです。
ただ、必要に応じて、公募によらない場合というのが書いてありますのは、これは民間人についての取り決めでありまして、それまでは、民間人については公募はしないでやっても結構だと、ある意味でルールなしでいたわけですけれども、公務員OB、公務員については公募でやるということを決めていました。
その後、しかし、そのときは民間人については何も決めていなかったので、そこをきっちりしようということで、この二十六年十二月十七日の事務連絡では、民間人について、公募によらないということがあるんだけれども、その際でも透明性を確保して、ちゃんとしたやり方でしますよということを決めただけでありまして、公務員については従来のとおりということであります。
○後藤(祐)委員 今の解釈は初めて聞きました。この二十六年十二月十七日、独立行政法人の役員人事について、公務員の方がつく場合には、必要に応じ、公募の活用に努めるじゃなくて、公務員OBの場合は必ず公募するという解釈なんだというのは初めて今聞きました。
では、これが本当に徹底されているかどうか、ぜひ調査してください。今、配付資料の八、九、十ページあたりにこのあたりのことが書いてあるんですが、ちょっとテレビの方はないんですが、十ページには実際に独法の役員に天下った例が、企画官以上から天下った例、たくさん挙がっています。これらについて本当に全部公募をやったのかも含めて、しっかりと調査いただきたいと思います。
こういったものは、いろいろな形で実はあっせんをしているんです。ところが、あっせんそのものは役所はやっちゃいけないという法律になっているので、建前としてはやっていない、こういう立場に立たざるを得ないんです。
何でこういった天下りのあっせんが起きるかというと、役所の現職の方あるいはOBの方がいつごろ身があきそうかという人に関する情報と、あとはどこの独立行政法人とか大学とか会社のポストがいつごろあきそうかという情報、こういったものをまとめて役所が、文科省の場合はまとめて人事課あたりから個人情報、こういったものをRさんに流していたわけですね。もうこれはやらないと、総理は先週、明確な答弁をされました。
そこで、私は、各省、幾つかの大臣に、あっせんをしているかどうかなんて聞いたって、していませんと答えるに決まっているんですよ、あっせんじゃないかもしれないけれども、こういった人に関する情報だとかポストに関する情報を外部に提供していることはないかということについて、おととい、皆さんに調べてくださいというお願いをしました。
そうしたら、きのうを期限でお願いしたんですが、環境省だけは、そのような事実は確認されませんでしたと、大変立派な体制でやっていることがわかったんですが、ほかの省は、例えば農水省は、国家公務員法に抵触するような情報提供は行ったことはないと。
これは農水省だけじゃなくてほとんどの役所が、環境省以外が、国家公務員法に抵触するような情報提供は行ったことはない、つまり、あっせんはやっていないけれども、ポストの情報だとか誰がいつごろやめるという情報そのものを外部に提供することはあるかもしれないということなんですね。
では、農水大臣にちょっと聞いてみましょう。農水大臣、国家公務員法に抵触しない情報提供をしたことはあるんでしょうか。これは、おととい発注しています。
(略)
○山本(有)国務大臣 国家公務員法に基づく再就職等規制に抵触しない省外部への情報提供の具体的事例を申し上げると、例えば、省内の局長、課室長等の氏名、あるいは当省から在外公館等へ出向している職員の氏名等について外部から問い合わせを受けた場合に、可能な範囲で氏名や所属等を回答することがあるということでございます。
また、なお、現職の事務次官、官房長、秘書課長に確認いたしましたが、これまで、国家公務員法に基づく再就職等規制に違反する情報提供は行ったことはないという事実でございます。
○後藤(祐)委員 今まで情報提供していたということですよね。
ところが、総理は、総理は過去形じゃなくてこれからの話ですが、役所がこういった情報を渡すことはさせないということでよろしいんですねという私の質問に対して、そういうことは今後させない、当然のことでありますと答弁しているんですね。少なくとも過去はしていた。
確かに、どうしても必要な場合が本当にあるのかどうかよく詰める必要がありますが、ぜひ、今、質問時間が来ましたので、こういう場合は仕方がないという場合が本当にどういう場合なのか。そして、疑問があるようなケースもあります。そこをきちっと整理して、過去どうであったかをきちっと調べるということと、今後こういうのはしないということを、総理だって一切やらないと言ったんだから、先週。これについて、過去がどうだったかということの調査も含めて、もう時間が来ていますので、総理、お答えいただけますか。
○山本(幸)国務大臣 要するに、規制に違反する場合というのは、他の職員またはOBを営利企業等の地位につかせることを目的として、そして、例えば名前や職歴などの当該職員またはOBに関する情報を提供する場合にあっせん規制違反になり得るということで、そういうことは組織的に今後は一切やらせないということでありまして、そのほかの一般的な情報というのを提供する場合については必ずしも違反ということにはならないということであります。
○安倍内閣総理大臣 私がさせないと言ったのは、山本大臣のそのときの答弁も受けまして、いわばOBに対して人事情報というのを提供することは今後させないということを申し上げたところでございます。
(略)
○福島委員 ヒアリングして思ったのは、文部科学省というのは文部省と科学技術庁が統合してできた役所です。人事は見事にたすきがけになっていて、文部省系と科学技術庁系で、OB人事も含めて全然別の系統になっているんですね。ぜひ、文部省系だけではなく、科学技術系の天下りの問題も含めて、しっかりと調査をしていただきたいというふうに思います。
いろいろこれまでの天下りの実態を、全てデータが公表されているものを拝見させていただきました。平成二十年から二十八年まで、ちょっとこれはテレビでごらんになっている方は細かくて恐縮なんですが、手元の資料があると思いますけれども、見てみると、官民人材交流センター、これを通じたものは民主党政権のときからやめておりますから、これ以降はほとんど官民人材交流センターというものは使われておりません。
しかし、その前の平成二十一年を見ますと、結構多くの役所がそれなりに官民人材交流センターの仕組みを使いながら再就職をやっているということがわかります。これに対する評価は我々はいろいろありますけれども、ただ、私が思うに、官民人材交流センターを使ってやっているところは、この法の趣旨にのっとってやろうとしている誠実な役所であると思うんですね。
ずっとほとんど使っていない役所があるんですよ。その一つが文部科学省。これまで一件です。例えば法務省。法務省はいっぱい天下りをしているんですけれども、これまで一回も官民人材交流センターを使っておりません。あともう一つは警察。国家公安委員会と一番下の特定地方警務官、地方の県警本部でやめる方もいらっしゃいますから、その方はいっぱいいらっしゃるんですが、官民人材交流センターを全く使っておりません。防衛省に至っては、結構、私の知り合いでも防衛省の関係の方で防衛産業の関係に天下りというか再就職されている方はいらっしゃいますが、一般職ではないということで、ここの数字には再就職者数も官民人材交流センターの援助を受けているかどうかも全然出てきません。
私は、こういったことも踏まえて、これは省によって様子が全然違うと思うんですよ。一様の調査をやっていてもだめなところがあって、結構、私の出元の経済産業省を見ていると、先輩方こんなところで大丈夫なのかなと思うような、そういう就職をされている方もいらっしゃいますし、昔、私のいたころは……(発言する者あり)いやいや、失礼で言っているんじゃないですよ、それは。失礼で言っているんじゃなくて、昔のようないわゆる典型的な天下りというのは大分なくなっているなというのを実感いたしまして、それぞれ皆さん再就職のルールを守っているところは苦労されているなというのを実感しているんですよ。全然失礼な話じゃないですよ。
その一方で、そうじゃなくやっているところもあるんじゃないかと推察されるんですけれども、ぜひ、山本大臣、もう一人の山本、農水大臣と同じようにならないためにも、どういう調査をやるのかということを明らかにしてほしいんですよ。(発言する者あり)いや、失礼じゃないですよ。山本農水大臣は、臨時国会で、SBS米について、どのような調査を誰にするのか、一切明らかにしなかったんですよ。ふたをあけてみたらこうなって、失言も繰り返された。
そうならないためにも、ぜひ、どういう調査をやるのか、何人に聞くとか、そういうのはいいですから、その概要だけは来週の集中審議までにこの委員会に提出いただけないでしょうか。どうでしょうか。
○山本(幸)国務大臣 調査の内容については、先般参議院の理事会にも提出いたしましたけれども、必要があれば文書で提出いたしますが、基本的に、三十人強のチームをつくって、外部の目を、弁護士を入れて、そういう疑いのある方々を対象に厳正な調査をしっかりやる。その上で、必要があれば監視委員会と連携しながら、しっかりとした徹底した調査をやっていきたい。
スケジュールについては、初めにスケジュールありきということではありませんけれども、調査の中身をしっかりと充実することが一番大事でありますので、そういうことでありますが、一方で、結果が出次第、速やかに明らかにしていくことも重要でありますので、私の指揮のもとでスピード感を持ってやっていきたいと思っております。
○福島委員 役所にいたときに、期限切れの八十点より期限内の六十点と私は言われまして、何が重要かというと、これは予算に関係することなんですよ。先ほどの後藤委員の質疑にもありましたけれども、天下りによって予算の配分がゆがめられているかもしれないという、そうした問題でありますから、予算の採決の前に、ぜひ、中間報告でもいいから、結果を出していただきたいと思います。
天下りの集中審議、そして通商問題の集中審議、そして調査の概要の資料の提出、そして調査の中間報告を予算の審議の最中に提出することを委員長に求めまして、質問を終わりとさせていただきます。