幸ちゃん物語 第33話 (北九州地域再活性化私案編)
北九州検証
~京築・田川地区の問題~
私の地元は、北九州市のほか行橋市・京都郡、豊前市・築上郡、田川市郡の3地域がある。これらの地域の問題は、かなりの部分が北九州市と類似している。以下簡単に触れてみたい。なお、郡部の町村は核となる市とほぼ同様の傾向を示すので、ここでは行橋市、豊前市、田川市の3市を対象とする。
第一の問題点は、北九州市同様若者の減少があげられる。大学などの教育機関や就職先が絶対的に不足しているからだ。
第二は、公共施設整備、とくに公共下水道がまったくないということである。そのうえ、行橋市と豊前市は上水道も十分ではない。根底に水の問題があるとはいえ、何らかの対応策を早急に考える必要がある。
最後の問題は、教育、医療、福祉の立ち遅れが目立つこと。田川市はまずまずだが、行橋市と豊前市はとくに医療の面で十分なサービスが得られていない。また、3地域とも古い時期に建てられた住宅が多く、これも北九州市と類似している。
以上のデータで北九州市、京築・田川地区のそれぞれの特徴と問題点がかなり浮き彫りになったといえる。何が問題かが明確になれば、答えは半分得られたようなものだ。しかし、これまでの分析はすべて過去のデータによるもので静態的なものである。都市の将来を考えるためには、動態的な分析が必要だ。そこで、これからの北九州地域(京築・田川を含む。以下同じ)の処方箋を書くに当たって、これまでの静態分析をベースにしつつ日本経済のソフト化、サービス化、国際化、情報化といった構造変化を勘定して、できるだけ動態的にとらえていきたいと思う。