○野田委員長 これにて長妻さん、大串さん、小川さん、坂さんの質疑は終了いたしました。
次に、山本幸三さん。
○山本(幸)委員 自由民主党の山本幸三です。私も六年ぶりに質問に立ちます。六年前はアベノミクスが始まったばかりで、私はそのとき、安倍総理は、デフレで失業者があふれて、給料が下がって、そして就職先もままならない、まさに悪夢のような経済状況を救ってくれた救世主だと申し上げて、質問いたしました。今でもその考えは変わりません。ぜひ頑張ってもらいたいと思います。
そこで、今、毎月勤労統計で大騒ぎになっているわけでありますけれども、私はもう三年前から、こういう問題が起こるよということを予言というか予測していたわけでありますけれども、そのことを総理は御存じでしょうか。
○安倍内閣総理大臣 山本議員におかれましては、自民党の行政改革推進本部において以前から政府統計の改善に向けて活動をされている中で、平成二十八年八月の内閣改造において行政改革担当大臣に就任をいただいたわけでありますが、そして、みずから設置を提唱された統計改革推進会議において統計改革の中核として御尽力いただき、GDP統計を軸とした統計改革、改善や統計委員会の機能強化など、統計法制の見直しに道筋をつけていただいた、このように認識をしております。
○山本(幸)委員 ありがとうございます。実は、私は、二〇一五年に、三輪芳朗大阪学院大学教授から、日本のGDP統計は大変お粗末なものになっているという話を聞いて、それから横に座っている小倉先生なんかと一緒に勉強を始めたんです。そして、まさに深刻な問題だということを認識いたしました。
それはどういうことかというと、日本のGDP統計というのは四階建てになっているんです。一階が各府省庁の一次統計、基礎統計と言われるやつですね、これは何百もあります。それから、それを加工して、五年に一度、総務省等十府省で産業連関表というのをつくります。そして、それをまた基礎に、五年ごとに内閣府が年次GDP推計の基準年の推計値をつくります。基準年と基準年の間は、その基準年を活用して、毎年変えてつくっていきます。そして、その上に、四階のところに四半期のGDP推計、いわゆるQEというのがあるんですね。
ところが、この一階の部分は、先ほども出ていましたが、戦後の占領期につくられて、各省がつくった、ばらばらであります。整理統合できていません。それから、日本は、産業連関表をつくって、支出の方からGDPをつくるんですが、世界の標準は生産からつくるんですね。GDPは、生産と支出と分配、三つの側面があるんですけれども、生産からつくるのが世界の標準であります。この中で一番大事なのは年次GDP推計なんです。この年次GDP推計をつくる上で、簡単に言えば、一階部分は、GDPという製品をつくる原材料だ。そして、その原材料を持っていってGDP推計をするんだけれども、そのレールも世界の標準から見ると曲がっているというのが日本の統計の現状でありました。
ところが、統計について問題提起がされると、いつもこの四階のQEのところばかり議論されるんですね。今回も麻生大臣が指摘されて、私は非常に重要な指摘だったと思いますが、しかし、見ていると、役人の方々は、このQEのところだけで問題をおさめようとしている節がありました。つまり、この指摘された家計調査とか毎月勤労統計、その部分だけさわればいいんだ、あとはもうさわりたくない、そういう空気だったんですね。そこで、私は、これはだめだ、国家の一大プロジェクトとして全部やらなきゃいかぬということに大臣になってから決意して、そうすると、これはもう政治主導でやるしかない。そこで、私は官房長官にお願いして、統計改革推進会議というのをつくって、議論を始めさせていただきました。官房長官、この統計改革推進会議でどういう議論が行われて、どういう結果になったんでしょうか。
○菅国務大臣 委員御指摘のとおり、平成二十九年一月に設置された統計改革推進会議においては、私が議長を務め、そして、委員は当時、行政改革担当大臣でございましたので御参加をいただいて、抜本的な統計改革に向けた精力的な議論を行いました。
その結果として、統計改革推進会議が平成二十九年五月に決定した最終の取りまとめ案でありますけれども、四点ありまして、一つは、証拠に基づく政策立案、いわゆるEBPMを推進する体制の構築、二点目として、GDP統計を軸にした経済統計の拡充、改善、三点目として、ユーザーの視点に立った統計システムの再構築、四点目として、統計業務、体制の見直しや基盤の強化など、まさに、客観的な証拠をベースにした政策立案と、そうしたニーズを反映した統計の整備を一体的に進めることを提言したところであります。現在、これに基づいて一つ一つ着実に実施をしているという状況であります。
○山本(幸)委員 ありがとうございました。まさに、政策に使うようにしなければいけないわけであります。そして、大きな変更点は、世界標準のGDPを、支出ではなくて生産からアプローチしようということです。そうすると、一次統計から全部つくり直していかなければなりません、十年ぐらいかかります。そういうことをもう既に始めているわけでありまして、その中で統計法を改正して、(統計委員会の)権限を強化しました。それで、今回のような問題が起こってきた。ある意味でいうと、統計改革の成果が今回の問題をあぶり出した、私はそういうふうに思っております。
そこで、ちょっと気になるのは、じゃ、GDP統計と毎月勤労統計や家計調査、関係するのかというところが気になるんですけれども、この点については、茂木大臣、いかがですか。
○茂木国務大臣 統計につきましては、山本委員は専門家でありまして、私から答弁するのもどうかと思うんですが、支出項目で見るか、さらには山本先生のように生産として見るかにしても、この毎月勤労統計におけます項目といいますか賃金等は所得の一指標でありますから、この毎月勤労統計の問題、これは我々として深刻に受けとめておりますが、この問題がGDPに影響するということはございません。
○山本(幸)委員 これはまさにありがたい話、ありがたいと言ってもあれですが、いろいろ議論はしていますが、GDP統計の根幹を揺るがすような話ではないということであります。
それは、配付資料の中の一番下の数式を見てもらっても、年次GDP統計は供給の統計を使ってつくりますので、需要側の統計を使いませんから、関係ないということであります。これもわかると思います。
そこで、これをやはりしっかりと改革を、やっているんだけれども、もっと進めなきゃいかぬというのが私の今回いろいろな議論を聞いていての感想であります。
この改革をもっと進めるために一つ提案したいんですけれども、官房長官ヘッドの統計改革推進会議のもとに、各省に今、統計幹事と、それから、証拠に基づく政策を担ってもらうEBPM担当官というのをつくってもらっています。この人たちに集まってもらって、そして、全員というわけにはいかないでしょうから、幹事会で議論をして、一年ぐらいかけて、各国の例も研究しながら、そして、どういう統計をつくっていったらいいのか、あるいはどういうふうに整理統合したらいいのかということをしっかりと議論して、そして、いい統計をつくってもらいたいと思います。特に、日本の場合はサービス関係の統計が極めて不足しています。
その中で、例えば、整理統合するときに、これは統計表をもらっている企業なんかからの要望なんですけれども、例えば、民間給与実態調査、これは人事院がやっている、それから民間給与実態統計調査、これは国税局がやっている、そして賃金構造基本統計調査は厚生労働省ですね、こういうものはもう一本化してオンラインにしてくれというのが民間企業の要望でありまして、そういうことも含めて私は検討してもらいたいというふうに思います。この点について、官房長官、ひとつそういうふうにやっていただけるでしょうか。
○菅国務大臣 先ほど申し上げましたけれども、統計改革推進会議の最終取りまとめを受けて、政府としては、具体的な改革工程表であります公的統計基本計画を昨年三月に閣議決定をし、経済統計の改善や統計行政体制の見直し等の統計改革を現在進めています。公的統計が国民にとって合理的な意思決定を行うための基盤となる極めて重要な情報であることから、統計作成者だけでなく、政策立案や学術研究など統計利用者の視点にも十分に留意しながら、柔軟かつ機動的に不断の改革を進めていく必要がある、このように考えています。
○山本(幸)委員 ぜひ、私の提案を含めてやっていただきたいと思います。
それからもう一つ、今回の議論を聞いていても、政治が統計に介入したんじゃないかという議論をされる方々がいますけれども、こういう邪推を払拭するためには、もう統計に関するデータは全部出した方がいい、あるいは、つくった手法についても出した方がいい。それによって、統計委員会も日銀も民間シンクタンクも後で検証できる。そういうことを繰り返すことによって、変なことが行われていないということが、よくなるし、統計の精度も上がっていくわけでありまして、この点、午前中でも岡本議員が言っておられましたけれども、これはやはり内閣の姿勢として、総理から大号令を出してもらいたいと思いますけれども、いかがでしょうか。
○安倍内閣総理大臣 議員御指摘のとおり、統計の透明性を図ることは、統計の信頼性の確保のために重要であると認識しております。昨年、閣議決定をいたしました公的統計基本計画において、統計作成過程のさらなる透明化を盛り込んだところでありまして、改めてその徹底を促したい、こう考えています。その際、各府省においては、政策立案総括審議官等が中心となって統計委員会と連携しつつフォローアップを行うなど、一層の透明性の確保に取り組ませることとしたいと考えております。
○山本(幸)委員 各省の責任者はEBPM統括官、政策立案審議官がやるというようにして、統計についての検証ができるようなデータをぜひ広く提供するようにしていただきたいというふうに思います。
次に、アベノミクスの実質賃金についての議論がありました。実質賃金というのは、デフレから景気回復していく過程でどういうふうにして変わっていくんでしょうか、茂木大臣。
○茂木国務大臣 まず、デフレからの脱却を進める、こういった中で、当然、物価の上昇、こういったものが見られてくるわけでありますから、まずは、名目賃金、こういったものが上がるということによりまして、また物価も上がり、そして、たびたび御答弁を申し上げておりますが、この物価の上昇や、またパートで働く人等々によって、一時的には実質賃金は名目賃金に比べて上がりにくい、こういう傾向があるわけでありますが、潜在成長率等々の向上によりまして名目賃金も上がり、それに伴って、名目賃金ほどではありませんけれども実質賃金も上がる、こういった状態ができ上がっていくんだと思います。
○山本(幸)委員 経済理論で、最初に実質賃金がマイナスになるのは当たり前なんです。金融緩和政策をとると物価が上昇してきます。そうすると、賃金は遅行指標ですから、おくれて上がる。そうすると、最初はマイナス実質賃金になるんですね。実質賃金がマイナスになるから、みんな雇用をふやす。雇用がどんどんふえていきます。雇用がふえて、そして人手不足になってくると、名目賃金も上げざるを得なくなる。そして、名目賃金が上がっていって、これが物価の上昇を追い越すようになると、初めて実質賃金が上がってくるんですね。一番最後に起こることなんです。だから、別にアベノミクスが失敗しているどころか、どんどん雇用がふえて大成功している、その証左ですよ。(発言する者あり)
○野田委員長 御静粛にお願いします。
○山本(幸)委員 例えば、共通事業所の問題がありましたね。実質賃金は幾らかと政府に聞いていますけれども、こんなものは聞かなくたって自分で計算すればわかる。私も計算しましたよ。マイナスの〇・四だ、二〇一八年は。ただ、おもしろいことは、その前の二〇一七年はプラスです。プラスの〇・二です、共通事業所で。つまり、共通事業所は、プラスの〇・二が二〇一八年はマイナスの〇・四になった。なぜか。これは一つしか理由がないですよ。共通事業所に物すごく人がふえたんです、雇用が。強烈にそこの部分で雇用がふえちゃって、平均賃金が下がって、物価も上がって、実質賃金が下がったんですよ。アベノミクスの成果そのものですよ。ただし、私は、やはり本当に成功させるためには賃金が上がらなきゃいけない。この賃金が上がるという議論をしなきゃいかぬということはそのとおりだと思います。玉木議員も言っておられました。
そこで、私は、賃金を上げるために経済界に要請してきましたけれども、経団連の会長の話を聞いても余り迫力がない。そこで、私は、経済界は法人税を下げたら賃金を上げてくれるかと思ったら、そうでもない。内部留保ばかりためている。そこで、私は、自民党税調の中でも内部留保税を取れという議論をしているんですけれども、財務大臣、いかがでしょうか。
○麻生国務大臣 今の前半の議論は、六年前、こういうことになりますと申し上げたとおりになっておりますので、山本先生の見解は極めて明快だと思っております。
その上で、企業収益は好調に推移しておりますけれども、企業経営者のマインドが、やはりデフレというものは、昭和一桁時代から含めまして、少なくとも我々はデフレーションによる不況というのをやった経験はありませんから。少なくとも、敗戦後この方七十数年たちますが、数々の不況がありましたけれども、いずれもインフレ不況。今回初めてデフレ不況ですから、そのデフレ不況にどう対応していいかわからなかった。政府は間違えたんですよ。日本銀行もその対応を間違えた。はっきりしていると思っております。
そこにいわゆるバブル等々が来ましたので、いろいろ、二つ、三つ不幸なことが重なってこういったことになっていったんだと思いますが、七年前、政権を奪還させていただいたときに、これを変えないかぬということで、我々はその方針を、金融政策を変え、財政政策も変え、いろいろな形をさせていただいた六年間で、この二十年間というものがやっと出てきたところだと思っておるんです。
少なくとも、今のその中で一番の問題は、企業経営者のマインドがデフレのままで固まっている。借金の返済に、貸し剥がしだ、貸し渋りだというのに苦労した人たちが今ちょうど一番上に来ていますから、今さらあいつらに頭を下げて金を借りてまで更に設備投資なんかしたくないと思っているんですよ。聞きましたよ、みんな私はその人たちに、知っているのがいっぱいいますから。その人たちは借りようとしないの。自分の自己資本だけでやるということになりますから、どうしたってということになります。結果として、企業収益は御存じのとおりです。今や内部留保は約四百四十兆ぐらいたまっておりますが、毎年、この五年間を見ますと、二十五兆前後ずっとたまってきて、去年が四十数兆いったと思いますが、トータル四百何十兆。その間、設備投資若しくは賃金をどれだけ上げたかといえば、毎年二十五、六兆前後にもかかわらず、人件費の伸び、設備投資の伸びは数兆円、二桁いっていませんから、年によって違いますけれども。そういった意味で、最後に残った金が内部留保で蓄積していったというのが事実。これはもうおっしゃるとおり、間違いなくそうなっております。したがって、この分をもっと賃金に、設備投資にということを奨励してきたのが政府のこの六年間。経団連との交渉は、連合が賃上げ交渉をしているのではなくて、政府が賃上げ交渉をしているんですから、これはどう考えたっておかしいでしょうがという話を何回も私ども申し上げたこともあります。それが事実ですから。しかし、現実問題として、内部留保がたまってきているのは事実ですけれども、少なくとも、このことに関して、例えば内部留保課税をやれとか、いろいろな御意見があることは確かですよ。しかし、これは二重課税もきわまりないところですから、それをやることに関してはもう少しちょっと慎重であらねばならぬと思っておりますし、そういった御意見がいろいろ出るほど企業に対しての意見がいろいろ強くなってきているということは事実だと思っております。
○山本(幸)委員 内部留保課税ですけれども、同族会社にやっているんですからね。やろうと思えばできるんですよ。ぜひ前向きに検討してもらいたいし、私どもも税調でしっかり議論していきたいと思います。それからもう一つ、下から賃金を上げるということも考えなきゃいかぬ。最低賃金を上げなきゃいけません。
この最低賃金は、世界の標準から見ても低いというように言われています。また、もう一つの問題は、日本の場合、最低賃金は各県ごとになっていて、格差がある。私は、これが東京一極集中の一番の原因だというふうに思っていますし、あるいは、技能実習生が失踪するのは、これはやはり、東京に行きたがるのは、最低賃金が違うからだというように思います。
そこで、私どもは自民党の中で、衛藤征士郎先生を会長に最低賃金一元化議員連盟というものをつくりまして、勉強を始めたところであります。ぜひ政府においてもこういう検討をしていただきたいと思いますけれども、厚労大臣、お願いします。
○根本国務大臣 最低賃金に関する地域格差、これは政府としても問題意識を持っております。今、我々、最低賃金が低い地域の賃上げ、このために、例えば業務改善助成金なども用意して環境整備を図っております。他方、もう山本幸三委員は既に御承知でありますが、全国の一律最低賃金については、全国一律最低賃金を導入している諸外国、これは若年者などを適用除外あるいは減額するとしているのに対して、我が国の制度は原則全ての労働者が適用されるなど、制度的な違いがある。あるいは、賃金だけではなくて、県民所得や企業の付加価値生産性など経済指標に大きな地域格差がある。そして、最高の東京と最低の鹿児島では二百二十四円と大きな差があって、すぐに引き上げた場合には事業活動や雇用などへの大きな影響が懸念される、こういう課題があると思っております。これは山本委員も、この辺はよく御存じだと思いますが。いずれにしても、今後の最低賃金のあり方における重要な論点ですから、議連の御意見も伺いながら検討してまいりたいと思います。
○山本(幸)委員 厚労大臣、もう一つ伺いたいんですけれども、今回の毎月勤労統計の問題、これはやはり深刻な問題でもあります。特に実害が出ていますからね。これはしっかり特別監察委員会で原因究明、そして同時に追加給付も急いでやっていただかなければなりません。その辺の決意のほどをお願いします。
○根本国務大臣 今、特別監察委員会においては、より独立性を高めた形で更に厳正に調査を進めていただいております。今般の事案の事実関係や原因について、徹底して明らかにしていただきたいと思っております。
そして、厚生労働省として、やはり、統計に対する姿勢を根本から正して、再発防止を徹底する。特に、雇用保険等の追加給付、これはもうできる限り速やかに、簡便な手続でお支払いできるように万全を期していきたいと思います。そして、私が先頭に立って、厚生労働行政の重みに対応したしっかりとした組織のガバナンスを確立し、国民の皆様の信頼回復に努めていきたいと思っております。
○山本(幸)委員 ぜひしっかり頑張ってもらいたいと思います。
それから、総務大臣にお伺いしたいと思いますけれども、統計委員会も総務省の所管で、まさに統計の実動部隊は総務省が担っております。先ほども申し上げましたけれども、今回の問題があぶり出されたのも、私は、統計委員会が権限が強化されて、ほかの役所が無視できなくなった、そこが要因じゃないかと思っていますし、それから、私の提案等も入れていただいて、そして、よりよい統計を抜本的につくり直す。ただQEの問題だけに矮小化させないで、全体の統計システムを変えるんだということを、実動部隊の司令塔としてやっていただかなきゃなりません。その辺の決意のほどをお願いします。
○石田国務大臣 お答えさせていただきます。
委員御指摘のように、今回の毎月勤労統計の事案は、統計委員会が自律的に審議する過程で発覚したものでございます。今、毎月勤労統計については厚生労働省の特別監察委員会で調査が行われ、そして、賃金構造基本統計については総務省の行政評価局が調査を行っているところであります。また、統計委員会におきましても、今般の統計をめぐる問題を受けて設置をされましたのが点検検証部会でございまして、基幹統計及び一般統計調査について、再発防止や統計の品質向上、こういう観点から徹底した検証を行うことといたしておりまして、こうしたそれぞれの結果を踏まえて、御指摘のように、今後の統計全体を考えていく中で、総合的な、きちっとした対策を講じてまいりたいと思っております。
○山本(幸)委員 点検、検証をやっていただいているのはいいんですけれども、単に総務省に、統計委員会に提出した計画とずれたやり方をしていたかどうかというようなことだけ調べるんじゃなくて、先ほどから申し上げているように、もう根本から見直すんだ、そして、世界標準の、供給側からGDPにアプローチするというやり方に一次統計そのものから変えていかなきゃいけない。これは大変な作業です。相当、総務大臣のリーダーシップがなければできません。各省の大臣に対しても相当嫌われることになると思いますけれども、その辺の、単に検証だけじゃなくて、中身を見直すんだということに踏み切っていただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。
○石田国務大臣 公的統計は、もう議論されましたように、本当に重要なものでございますから、今議員御指摘のように、さまざまな方面からの検討をしないといけないと思っておりますし、また、いろいろと御提言ももう既にいろいろな場面でなされているわけでございまして、そういうものも勘案しながら、今行われている検証部会等の検討結果を総合的に考えながら、御指摘のような方向でしっかりした対応ができるように、頑張ってまいりたいと思います。
○山本(幸)委員 ぜひお願いします。今回のような問題を災い転じて福となすという方向に持っていかなければ、意味がありません。まさに、ほかのところでもまだ問題があるかもしれませんからね。それをしっかりと見直して、しかし、もう改革の方向は決まっているんですから、それをしっかりとやって、加速してやっていただきたいと思います。
最後に、もうちょっと時間がありますので、一つだけ、お願いというか要請をしておきたいと思いますが、委員の皆さん方の配付資料の一番下のところの数式があるんですが、QEは需要側統計と供給側統計を合わせてつくっていますが、このときに、係数が、アルファ・プラス・ベータ・イコール一という制約条件がついています。これは内閣府のつくり方ですね。年次GDPについては、供給側の統計だけでつくります。このアルファ・プラス・ベータ・イコール一という制約条件をつけるかどうかというのは大問題になっているんですね。これは、統計委員会で、日銀から出ている関根さんなんか問題提起して、非常におもしろい、興味深い議論が行われています。しかし、きょうはもうその細かいことには入りませんけれども、そういう議論が行われるようになったというのは、やはり情報が開示されて、そういう検証がなされるようになったからできてきたんです。
したがって、先ほどもお願いしましたけれども、そういう検証ができるようなデータをしっかりと提供していただきたい。この点は、内閣府、統計委員会にお約束していると思いますけれども、ぜひしっかりとスケジュールに沿ってやっていただきたいと思います。その辺の決意のほどをお願いします。
○茂木国務大臣 より精度の高い統計、それを実現するために政府としても万全の協力をしてまいりたいと考えております。
○山本(幸)委員 ありがとうございました。終わります。